第86章 【逆ハー卒業ルート:微エロ有り】プロポーズ大作戦
「……っ……っ………おそ松、限界です。ふ、普通に戻ってえぇ」
あまりに素直に接せられるとコチラも戸惑ってしまう。
おそ松とは、二人きりでいるより皆と一緒にワイワイしてる方が落ち着くかもしれない。
なんせ二人になるといつもと違う顔を出してくるのだからナス子の心臓だって早鐘を打ち出し見つめられていてもその優しい眼に対し言葉を返す事が難しい。
「なんだよ、俺はいつだって普通よ~? なぁに、照れてんの? ウリウリ!!」
「だぁぁあ、肘でつっつくな! 近寄るな!!」
「いーじゃん!! 最近俺らすっげぇ我慢してんだぜ!? お前も気づいてるかもしれないけど負担は与えたくないし体のストレス半端ないんだからなぁ」
身体と言うのはセック×の事だろう。
向こうが触ってセクハラする事はあれど、松野家に来て慌ただしい生活の中以前よりも少なくなったと言うか、思い出せばいつ最後にしたのかわからない。
「が、我慢? 皆が? あのクソニート共が?! いや、おそ松も含めて」
「含めなくていいっつの!!」
二人が少しだけいいムードを出していた背後に急に元気な声がナス子の背中に伸し掛かる。
「ドゥーーーーーーーーーン!! 姉さんお待たせっ」
「待ってる間セクハラとかしてなかっただろうな、クソ長男」
「いちまっちゃん酷い! 俺今日はなんもしてねぇし!」
「って言ってもおそ松兄さんはいっちばん信用に欠ける人物だからね。してないって言ってもしてる可能性あるし! ナス子大丈夫だった?」
チョロ松が腰に両手を当てて、屈んでいたナス子を心配そうに覗き込む。
「あ、あはは、大丈夫! 大丈夫だよ、チョロ松。普通に話してただけだから!! あの、じゃ、じゃぁ、皆いこ、行こうか……」
おそ松の皆が我慢していると言う台詞に動揺しつつ、つい右手と右足がぎくしゃくと前に出てしまう。
「ナス子どうした? 歩き方がおかしいぞ」
「え!!? あ、これは新手のストレッチ、ストレッチだからね?!」
我慢、それは六つ子にはとてもつらい事だろう。
逆に我慢なんてされたら爆発した時にどうなるのかとドキドキとハラハラが同時に襲ってきてつい緊張してしまう。
自分の事を想ってやってくれているのもわかるがその先がなんとなく読める気がして気が気ではない。