第13章 レンタル彼氏、俺 おそ松side
「あ、ナス子!こっちー」
「夢野ー、ごめんね待たせちゃって」
可愛くね?!
ナス子の友達だからどうせ、とか思ってた俺が馬鹿だった。
そんでもってその隣にいるのが夢野ちゃんの彼氏か。
「どうもー」
「やっと一緒に出掛けられるねー!めっちゃ楽しみにしてたんだよ」
夢野ちゃんが天使のように笑う、可愛い。下の名前はなんていうんだろ?
俺はすっかりこの子に締まりのない顔になる。
すると、おもっきし俺の背中を抓られた。
「イィ!!痛ってぇなナス子なにす」
「紹介するね、夢野!コイツが私の彼氏の松野おそ松」
「あぁ、写真の人だよね宜しく!夢野心です」
心ちゃんって言うのかぁ、かっわいいなぁ~♪
そしてまた抓られる。
「イィ!!だぁかぁらぁ・・・」
「ナス子、何やってんの??」
「ごめん!コイツ可愛い子に弱くってさー、ちょっと目を覚ましてやろうと思って、あはは、あははははは」
言うとナス子は俺を横目で、化粧して今日はちょっとは可愛くなってるからと言っても、いつもみたいな残念な表情で睨んできた。
「あー・・・わ、悪い悪い、ナス子。俺にはお前だけだってぇ」
「「おぇ」」
俺たち二人の反応に、心ちゃんとその彼氏がキョトンとする。
「仲いいんだねー、良かった。あんまり職場で彼氏の話自分からしないからさぁ、上手くいってるかちょっと心配だったんだよね」
「へへ、いやぁ。彼氏の話するの恥ずかしくって~」
「なんだよー、もっと俺の事褒めて称えて自慢してくれてもいいんだぜ?」
「褒める所なんてひとっつも・・・んん、ごほんっ」
いつもの調子で噛みつこうとしたなこれは。
とりあえず4人で自己紹介をして、中に入るとまずはジェットコースターに乗る事になった。
えぇ、大丈夫?ナス子って三半規管弱いしコレ苦手なヤツじゃね?
心配になって隣で並ぶナス子を見るとやっぱり・・・。
もの凄い顔青ざめてる、嫌なら嫌って言えよなぁ~・・・。
「ナス子、あのさぁー」
「え、なにおそ松?」
これ、やめとけば?って言おうとしたけどその前に早くも順番が回ってきてしまった。