第86章 【逆ハー卒業ルート:微エロ有り】プロポーズ大作戦
「これだけあると捨てるのは勿体無いね、リサイクルショップとかに持っていって売る方がいいんじゃない? 二束三文でもタダよりはマシでしょ」
「ぐぅ……仕方ない、そうしよう、そういう事にしましょう……リサイクルショップなら、まぁ、まだいいかなぁ」
納得のいかないのは以前カラ松が自分の顔を張り付けたお気に入りのパーカーが勝手にカラ松に要るものと押し付けられて持ち帰りの箱に入っている事だ。大変に不満である。
またその顔が一番上に乗っかってるもんだから目が合ってるようで引き裂きたい気分に襲われて仕方ない。
チョロ松は要らないと言うがカラ松の押しが酷い為諦める他なかった。
着る事なんてないのに……。
リサイクルショップに売るのなら、後から惜しくなったものを、最悪買い戻すことが出来る。
そう考えたナス子は、チョロ松の意見に即賛成の声を上げる。
ナス子の脳内などすでに二人は透けて見えているのだが、ここは気づかないふりをしてやることにした。
いるもの、と書かれたダンボールの中身はそれほど多くなく、化粧品や健康グッズなど、細々した物がほとんどだ。
「これくらいの量なら歩いてでも運んでいけるな。とりあえず売りにいく作業は後日少しずつやるとして、今日のところは家に戻るか」
「そうだね、そうしよう。もうすぐ夕飯の時間だし、ナス子も母さん手伝わなきゃでしょ」
「あ、うん、い、一応……アンタたちの嫁候補、だし……一人を選ぶことは出来なくても、やれることはやらないとね~。ふはー、片づけって疲れるねぇ。でも文句言ってても仕方ないし頑張るかぁ」
口を尖らせながらも、少し照れたようにナス子がハニかむと、カラ松とチョロ松はその表情を見てチラリとお互いの目線を合わせて、目だけで笑うと、二人してナス子の頭にポンと手を置き、少し乱暴に撫でる。
「わっ、ちょっ、なにっ?」
「フッ、いや……オレの未来のワイフは、可愛い女だと思ってな」
「俺たち、だろ……お前が頑張ってることなんて、ちゃんと知ってるから」