第86章 【逆ハー卒業ルート:微エロ有り】プロポーズ大作戦
「えぇ!? なんで??? いや、だって枕だよ、枕は持っていったほうがいいでしょうよ、見てよこの枕! めっちゃ眠りやすくて感触だってすっごいよくって眠りやすいし!」
「これから寝る時は、毎日このカラ松の腕の中で寝ることになる……よってナス子に枕は必要ないということだ……アンダスタン?」
「はぁ?!」
「おいカラ松っ、そこは順番に決まってるだろ、なんでお前限定なんだよ」
「いや全然理解できない、何で私が毎日誰かの腕枕で寝る事が決まっているのだっ、腕枕は嫌いではないけど枕だって欲し」
と言っている間にも、手にしていた枕をカラ松に奪われ、いらないものと書かれたダンボールに投げ捨てられる。
随分と長く使ってきた枕だったのでナス子的には持っていきたいものだ。
「だからー!! 30秒も経ってないってばあぁぁぁ! ふんぬー!!」
ダンボールの中にいれられた枕を拾い上げようとすると、その腕をカラ松に捕まれる。
「枕はいるって!」
「ハァン、聞き分けのないラバーだぜぇ、いらないと言っているだろう? 溜めに溜め込んだ物達には思い切った取捨選択が必要となるんだ、諦めるんだな」
「ラバーでもレバーでもいいからその枕は持っていく! 返してカラ松っ!」
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そんなことを何度も繰り返しながら、ナス子の部屋の取捨作業は進んでいった。
気がつけば4,5時間が経過し、日もすっかり傾いている。
「ぜぇ……はぁ……さ、叫びすぎて疲れてきた……、アンタ達ほぼいらない物に突っ込むんだもん!」
「わかっていたことだけどさぁ、ナス子……物多すぎなんじゃない? まぁ、漫画や同人誌が多いのは仕方ないとして」
「だって後からやっぱ使うかもってなるかもじゃん! ……ないと困るけど、ある分には困ることはないでしょ?」
「まったく同じ物が2個3個と出てきた物もあったよな。ああいうのは無駄遣いだと思うぞ」
「うっ……それはぐうの音も出ない……」
乱雑に物が置かれていたナス子の部屋の中は、スッキリと片付き、後は家電や大型家具等を残すのみとなっていた。
三人の前には、二つのダンボール。
いらないもの、と書かれた中身の方が圧倒的に多く、とても一度では捨て切れそうにない。