第13章 レンタル彼氏、俺 おそ松side
まさかのナス子の姿にニヤニヤした顔がおさまらない。
なんだこれ、俺女の子とデートしてるみたいじゃない?!
あ、デートだったなこれ一応。
「まさかあのチンパンジーがこうなるとはなぁ」
「チンパンジーってなんだコラ、誰が哺乳類だ!違う、私哺乳類っ」
「お前って絶対に馬鹿だよな?」
「馬鹿代表のおそ松に言われたくないんですけどー?」
どうせまたいつものクソダサイ私服でデートかと思ってたのに、予想だにしていなかったコイツの恰好に少しキュンとしたかもしれない。
いやー、人間て不思議だわぁ、見た目ちょっと変わるだけでこんなに違うもんなの?
「あ、ナス子あれやっとくぅ?」
「え、ナニ?」
「遅れてごめぇ~ん、待った?」
俺はわざと自分のキュンとした心を手放すようにお茶らけて片手をあげる。
「いや、今来たところだから全然構わな・・・ってこれ逆じゃない?!」
「なははははは、いーじゃん逆でもカップルっぽくて!」
「はっ、そうだった!おそ松は彼氏、おそ松は彼氏おそ松は・・」
「あのなぁ、この前あんだけ練習してんのに早速忘れるなっての」
相変わらずのやり取りをした後、俺はナス子の車の助手席に乗り込もうとした。が、ふと思った。
「なぁ」
「んー?」
コイツ今日ブーツだろ?運転危ないんじゃないの?
「俺が運転しよーか」
「えぇ」
それにその方が彼氏っぽくね?って思ったからだ。
「お前の運転安全運転の癖に怖いんだよ、いつも。見ててハラハラするんだよねぇ」
「お前はチョロ松か!」
「なぁに?チョロ松にも言われちゃったの~?ってか彼氏の前で他の男の話すんなよなぁ」
お、これちょと俺彼氏ポイント高くね?
とりあえずナス子から車のキーを奪い運転席に乗り込む。
「おそ松普段運転しないからそれもそれで怖いんだけど」
「ダイジョブダイジョブー、俺様に任せとけって!ダーッハッハッハ」
心配そうに助手席に乗り込み得意気に笑う俺を横から見るナス子、俺を誰だと思ってんのぉ?俺、おそ松だよー?
これくらい簡単簡単♪
「ま、助手席楽だからいいやぁ、寝放題だもんね!じゃぁ、宜しくお願いしまーす」
「いや、そこは寝るなよ!俺の話に付き合えよっ」
結局いつもの口喧嘩が始まり遊園地に無事到着した。