第86章 【逆ハー卒業ルート:微エロ有り】プロポーズ大作戦
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人一人がスッポリと納まりそうなほどの大きなダンボールを前にしているのは、ナス子と、あの後決まった代表者2名。
「よーし、それじゃあ張り切って仕分けをしていくとしよう……! ふっ、このオレがいればあっという間さぁ……」
「とりあえずさ、このダンボールに、いる物、いらない物をパパっと仕分けて、10秒以内に決められなかったものは全部捨てるから」
「10秒?! み、短くない……? せ、せめて10分とか」
「却下だね。そんなんしてたら片づけられるものも片付かないでしょ。与えても30秒って所かな」
「うぐぐ、チョロ松の鬼軍曹!!」
文句を言っても断固として時間制限は変えてもらえず、情けで30秒はもらえる事になったのだが、いる物、いらない物、と書かれた大きなダンボールを見てげんなりした顔でその前に座るナス子。
カラ松とチョロ松がそれぞれ乱雑している小物や服、雑貨をかき集め、一つ一つナス子に確認をしていく作業の始まりだ。
ナス子もゴソゴソと自分なりに取捨作業を進め始めるが、やはりどうしても決められない物が出てくる。
「ねぇチョロ松、これはいるよねぇ? ほら、向こうで家事し始めた訳だしエプロンは大事でしょ」
「これはいらないね」
「え? なんで? だって松野家でも料理はするでしょ」
「お前はウチに僕たちの嫁候補として一緒に暮らすんだから、エプロンとか毎日使う物は僕たちの好みに合わせた物にしてもわないと」
「そ、そうなの? あっ、まだ30秒経ってないのに……っ」
理解出来るような出来ないようなことをさも当たり前のようにそう言うチョロ松にナス子は首を傾げるが、チョロ松は容赦なくそのエプロンをいらないものと書かれたダンボールに入れてしまう。
「……あ、ねぇねぇカラ松、これはぁ、いるよね? ほらこれ、枕。新しいの買う必要もないし」
「これはいらないな」