第86章 【逆ハー卒業ルート:微エロ有り】プロポーズ大作戦
「だって教える教える言いながら色々触ってくるんだもん、動きにくいったらありゃしない! 何でわざわざ密着するのか手取り足取り腰取り教えてくるのかと……」
そんな言葉に他の旦那候補も細い目でカラ松を見る。
家事を教えると称し下心が完全にわかりやすく見え隠れしている。
いや、もう隠れてはいない気もする。
「あ……あ~……その方がナス子もやりやすいかと思ってだな……んんっ!!」
わざとらしいイタ松の咳払いは無視してナス子はまたゲームに集中するのだが、他の兄弟達はカラ松に抜け駆けの視線を送っているままだ。
「家事出来るとか言ってセクハラだぁ? 俺を差し置いて何してくれちゃってんのよカラ松ぅ!!」
「やっぱクソはクソだよね、自分から申し出といて二人にきりになりたかっただけなんじゃないの……死ねボケェ」
「あ、いや、その……」
おそ松、一松の睨みにたじたじと汗を垂らし数歩下がるカラ松だがナス子は特に彼を助ける事もなく無視してゲームをまた進めている。
「この家の事ならお前だけじゃなくて僕らだって知ってるからね! ナス子、次に教えるのは僕ね、わかった?」
「へ~い……あ! スペル間違えたら英語教師に手榴弾投げられた」
「「「「だからどんなゲーム?!」」」」
全員の声がハモりゲーム途中と言うのに聞かざるを得ない声量である。
「だぁかぁらぁ! フラグを回収するゲーム!!」
「それって死亡フラグじゃないよね?! ちゃんと恋愛フラグの事だよね?!」
チョロ松に聞かれて首を傾げる。
確かにこれの説明は恋愛ゲーム、そのジャンルのカテゴリーにあるが説明書には様々なフラグを回収しよう!としか書かれていない。
「さぁ?」
「さぁ? って、知ってて買ったんじゃないの? ナス子姉、前からこのゲーム気になるとか言って散々ぼくらにHPとか見せてきたよね?!」
「まぁ、そうなんだけど。やってみるのとHP見てるのだけじゃ違うよね!」
「姉さん、お待たせ!! 下に今川焼があったよ~、5個!」
5個……。
一個はナス子が食べるとして、残りは四個……これから起こりうるであろう戦場に嫌な予感が浮かぶ六つ子達。