第13章 レンタル彼氏、俺 おそ松side
そして月曜日、まぁデートって事で俺はいつもと違う服装をトド松にコーディネートしてもらった。
デートとは言ってないよ、ないからね?
だって相手ナス子な訳だしそんな事言える訳ないでしょ〜!
服とかあんま興味ない俺だからトド松になんか疑われるかなぁ、とは思ってたけど驚く事になんも言われなかった。
そして普通に一つ貸しという言葉をつけられ終わる。
あいつほんっと抜け目ねぇな、ちゃっかりしてるぅ~。
遊園地は現地集合らしいから、俺たちは二人で向かう事にした。
家の前にナス子が車で迎えに来ると他のヤツらにバレるのは面倒だから俺がナス子の家に向かう。
猫はどり子ちゃんが預かってくれるらしい。
ナス子いい友達持ったよなぁ。
数分歩くと近所のマンションに到着。
部屋まで迎えに行こうとしたらマンションの下に女の子が立っている。
まじか、今日はデートとは言えラッキー♪
普段よく見るアイツとは違い、女の子らしいゆるい大きめニットにスカート、ブーツ。可愛いなおい!
口笛を吹きながら横を通り過ぎて相手の顔を見ようとした時、その子が口を開く。
「おそ松!遅かったじゃん、ちょい遅刻なんだけど?」
携帯を片手に弄っていた女の子は時刻を見て俺を見上げる。
「は?」
俺は声を聞いて硬直した。っていうか誰コイツ。
いや、コイツって時点で俺は認識してんだけどさ――
いつもと違いすぎじゃね?
まさかのあのグータラ干物女のナス子がちゃんとした服を着てちゃんと化粧をして、そしてまさかの・・・俺を先に外で待ってるなんて。
やべぇ、今日雨降るんじゃね?
「誰だよお前」
あまりの動揺に俺はわざと口に出してみる。
「誰ってわかるでしょーが、あんた女の子にお前とか言わないし!」
「バレたか~」
顔から順番に体を見下ろしていく。
「へーぇ、気合い入ってんじゃん」
すっげー恥ずかしそうな顔してるなオイ。
普通の女の子はこれが普通なんだぞ、いつものお前の方が十分恥ずかしい存在なんだからな?
「おそ松いつもと恰好違うね、誰かと思った!」
あ、俺の服装にもさすがに気づくか。
「気合入れてきてくれたの?似合ってるよ、その赤いセーター!」
うわ、慣れないからハズイんだけど?!