第86章 【逆ハー卒業ルート:微エロ有り】プロポーズ大作戦
タイミングも悪く、伝えに伝え損ねた六人の愛情はただ募る想いを膨張させていく。
まるで以前の片想いに戻ったような気持ちになってしまう。
「っし、行くか。俺らの姫さんを迎えに……姫さんって言ってもカピバラ姫だけどなぁ~なはははは」
「またこんな時に冗談言って、ここにナス子がまだいたら殺されるだけじゃすまなかったよ」
「ふふん、突然メスゴリラのパンチも恋しくなってきたぜぇ」
兄弟達が皮肉めいた事を口々に玄関から出ていくと、一松はミケ子を抱きしめ悲しそうな表情を浮かべていた。
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チャ~ラララ~~♪ チャ~ラララ~~♪
おお、ナス子~
おお、ナス子~
希望への架け橋、地上の星ぃ
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「だああああああ、うっさい!! なんだこの歌! どっから聞こえてくんだ!!」
━━━━━ナス子よ……
「え?」
いつの間にやら潜っていた神社の鳥居を背に、空を見る。
どこから聞こえてくるかわからない意味不明な歌と不意に聞こえてきた声に、とりあえず振り向いてみると、空から何だかわけはわからないが神々しいようなそうでもないようなものが降ってきて思わず目をこすった。
「え、え?」
「ナス子とやら……」
突然話しかけてきた空から降ってきたそれは、後光を背負ってはいるが結構俗世に染まっちゃった系の神様らしき人。
よくよく見ると『※△■×%#◎の神』とテロップが書かれて……書かれていない。
「え、ちょ、ん? これなんて読むの? の神の前が読めないんですけど?」
「ナス子とやら……もっと素直になりなさい……」
「ん?! なにが?! っていうかホントこれなんて読むん」
「お前はニート達をクズ扱いしているようで、本心ではただ気を遣っているだけ……でも」