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【おそ松さん】松野家と年上幼馴染(R18)

第86章 【逆ハー卒業ルート:微エロ有り】プロポーズ大作戦



 背後からまた長男の声がしてその行動を止めに入ってきたのはわかるが今の自分の心境ではこの場にはいたくない。
 好きだから結婚したい━━━━━━━━━それだけならわかる。

 けどこの六つ子は好きだからだけではなく、家を追い出されてしまうから。
 一人選んで欲しいのも、結果的にはそうなるのと一緒と言う事が面接の最後に六人のしでかした口調からポロリと吐き出され気持ちが脱力した。

「なんか……ごめんな?」

 代表してなのか、そのままおそ松が喋る。
 正直な所今は口も聞きたくないし目も合わせたくない。
 ナス子は振り返る事なく返事だけ返す。

「………うん」

「お前、こんな俺達みたいな彼氏もって……不幸だよな?」

「………うん」

「ぶっちゃけ、恨んでるだろ?」

「………うん」

「下に見てるだろ?」

「………うん」

 おそ松の質問攻めにやはり振り返る事はなく項垂れた肩のまま返事をすれば、床を見てしまう恋人達の短い反省の溜息が聞こえる。

「それじゃ……玄関の鍵、帰る時に閉めておいて」

 そして一歩と歩き始めるとまた背後から声がかかる。
 もう放っておいて欲しい、それがナス子の想いだが、チョロ松の言葉にせめて返事だけは返した。

「ああ、あのっ!! せめて厳正な審査を━━━━━━━━━━」

「うっせぇ!! 馬鹿っっ」

 言うと、まだこのクソな面接の思考から放れていない兄弟達に怒りがまた湧いてきてしまい、最後の吐き捨てる言葉を残すと玄関からナス子は飛び出して行ってしまった。

「「「「「「ナス子~~~っ」」」」」」

 悲しい表情で恋人がいた場所を見つめる六人は悲し気な声で恋人の名を揃って呼ぶのだが、もう部屋にいないナス子はそんな事など聞こえる訳もなくいつの間にか時間が経ってうす暗い夜の道を一人歩き出していくのであった。
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