第86章 【逆ハー卒業ルート:微エロ有り】プロポーズ大作戦
パイプ椅子に六人が座り直そうとすると、そこにナス子がまた一言付け加える。
「アンタ達……誰が椅子に座っていいって言った? ……座るなら、床で十分でしょ? ほら、座れクズ共」
その言葉に全員が縮こまり床にまた正座だ。
一松だけは体をブルリと震わせて紅潮したがさすがに幼馴染で恋人のナス子にこれ以上キレられるのもヤバイと思い高揚する気持ちを抑える。
「あのねぇ、なんの面接だったかわかるよね?」
「オフコース!! わかっているさぁ、俺が如何にナス子の事を愛しているか……と、そういう事だろう? ん~?」
「そう。でもなってないよね、最後の会話とかもう完全に最初にマンション来た時の流れみたいなモンじゃん」
「う……そ、それはそのぅ、やはりゆくゆくはナス子と二人で凄しマリッジを迎えたいと言うか……」
どんな言い訳をされても、子犬や子猫のように縮んで震えていても、今のナス子には全く通用しない。
当のナス子は面接の机に座ったまま六人を圧迫面接でもしているように見下ろす。
「愛って………なんだろう」
突如ナス子が呟いた言葉に六つ子はピクリと肩を跳ねさせはするが恋人の顔が気まずくて見れない。
「今まで本当に楽しかった、私の想いに応えてくれて七人で一緒に居れて、それが例え常識から外れた事だったとしても……」
呟かれた言葉はまだ黙々と続く。
なんだかその言葉を聞いていると、嫌な予感しかしない六つ子達はまた必死に弁解の言葉を探す。
「でも、私ももう……こんな状態じゃ、皆と一緒にいる事なんてできないわ」
「ナス子……あのっ」
「静かに!! 今誰にするかとかそういうんじゃなくって、とにかく考えてるからっ」
おそ松が口を開くのだが、その言葉もすぐに止められてしまう。
そのまま机から立ち上がると、ナス子は部屋の入り口へと向かい玄関の方向へと歩き出す。
「ナス子?!」
「………少し一人にして」