第86章 【逆ハー卒業ルート:微エロ有り】プロポーズ大作戦
本音と建前が逆になってしまったチョロ松に半泣きながら律儀に突っ込みを返すおそ松。
「あー、危ない危ない。危うくおそ松に絆されそうになってたわぁ。自滅してくれて助かった」
ふぅ、っとおデコの汗を拭いカラ松にニッコリとお礼を言うも、思えばカラ松、何もアピールしていない。
「あれ? あんた何かアピール発言したっけ?」
「ん~? アピール発言ならしているだろう、エブリデー……で。それでも尚このカラ松の愛の囁きを聞きたいのなら、この場で夜が明けるまで語り尽くしてやるぜぇ~フフ~ン……」
「よし、ウザイし面倒臭いから合格っと」
「ハッハァ~ン!! ━━━━やったぜ」
なにもアピールする事などなく親指をぐっと立てドヤ顔のカラ松。
正直な所カラ松は面倒臭い、昔は飽き性な性格をしていた癖にこういう時はしつこいし、不合格にしたらしたで絶対に夜が明けるまでどころか毎日一分一秒逃さず愛を囁きにくるだろうと思うと諦めざるを得ない。
それにカラ松はナス子にとって恋愛感情は勿論色々な意味で必要不可欠の人間。
家事も出来る、料理も掃除もしてくれる。優しい。
実はカラ松はウザいだけですぐ手は出すものの害は六つ子の中で一番少ないと言ってもいい為なんの問題もなく合格に出来る。
「よし、これで二人だね。あと一人か……」
と、言ってこんなことを続けてはいるが、ナス子には元々本気で取捨選択する気は毛頭ない。
本気で選ぶつもりはないのだから、こんなものはただのお遊びだ。
ただこの面接は、自分達に都合のいい結婚を押し付けてきた六人への仕返しのようなものだった。
そろそろいいかとナス子が話をしようとしたところ。
「まぁ、そうは言いましても━━━━━━━」
ナス子がネタばらしをしようとした最中、スっと無言で手を上げる一松。
ネタばらしをしようとしていたのにまだ面接は六人の中では続いているようだった。