第86章 【逆ハー卒業ルート:微エロ有り】プロポーズ大作戦
また一枚紙がムダになってしまった。
だがここはナス子の家、いらない紙なら何枚でもある為破られた紙を二枚また補充しようとするとセクハラから手を引いたおそ松はナス子の肩に手を置くと真面目な口調へと変わった。
「ナス子!! 聞けって、俺本っ気でお前の事愛してるから!! 変われないって言ってもちょ、ちょっとだけでも変わる努力してやってもいいっていうか、ほらぁ! 金だってパチンコや競馬でも稼げるしさぁ」
「………このカスめ!! そ、そんな愛してるとか言われて私が絆される訳……」
と言いつつも顔が赤くなってしまう辺り、コチラもクソだ。
なんでこんなどうしようもないヤツらばかりを好きになってしまったのかと頭を抱えるしかない。
「大事にするよぉ? 今まで付き合ってなくても大事にしてたろ? 長く一緒に居るんだからそれくらい気づいてるでしょぉ。 俺がいっちばんお前の事見てた!!」
「いや、まぁ……色々ゲスいし、どうしようもなく残念で救いようのない馬鹿であきれ果てる事ばっかだけど……まぁ、それはわかってたって言うか。でもあれだよね、一番見てたって言うのは金せびりに来てた回数がいっちばん多かったからでしょうが」
おそ松はナス子に付き合う前もよく絡んでいた。
だいたいの理由は金、暇つぶし、八つ当たり等々、しょうもない理由が多い。
「もういい、保留!! あっち行って!」
「あんだよっ、合格じゃねぇの?! ハンコ貸せよっ」
「あっ」
勝手にナス子のハンコを奪い、これまた勝手に合格のハンコを自分の書類へと押すおそ松。
本当に救いようがないし、適当。
母親との面接の時よりも態度もデカく、調子がいい。
「もー!! 面接だって言ってるでしょ、ほんっとにほんっとにどうしようもない!」
「へへ~ん、俺も合格っと」
勝手にハンコを押したにも関わらず鼻を擦り十四松の隣に立ったおそ松は十四松とハイタッチだ。
勿論納得などいかないのだが、ここまでしてまで自分と一緒に居たいのかなと少し思ってしまうと不合格にしづらい為、もうここは面倒だしそれでもいいかなと言うナス子の悪い癖が顔を出した。
「ふっ……ご苦労だったな、おそ松」
「は? 何言ってんだよカラ松」