第86章 【逆ハー卒業ルート:微エロ有り】プロポーズ大作戦
チョロ松の追撃についつい両耳を塞ぐナス子。
「仕方ないでしょう、それに最初にゲスい理由で私を騙そうとした事、許してないからね?」
机に両手をついてニッコリとナス子は菩薩のような笑顔を作る。
「これはー……怒ってるね、まだ」
「確実にキレてるな。まだ」
トド松とおそ松が言葉を交わし目を合わせて困った顔をする。
先程告白を一人づつしたが、それよりも自分達の安定の生活を前提に話していた六人の事も長い付き合いのナス子はお見通しだ。
「他にはいないのかなぁ? それじゃあ私は十四松とお付き合いを」
「はいっ!」
順番が前回と同じようになっているが、おそ松がスっと慌てて手を上げる。
長男が立ち上がり、皆の視線はおそ松とナス子を交互に見ていた。
「俺は、ナス子と実家で過ごしたいと言う被扶養動機があります」
「よし、却下。おそ松脱落殺」
ポンっとハンコを押され、まだ何も言ってないのに落第されたおそ松はナス子にかけよってすがりつく。
「おいいい、脱落!? しかも殺ってなに?! 殺すの?! お兄ちゃんなのに俺殺すの?! 長男だよ俺っ」
腰に巻き付かれどさくさに服に手を入れて来る脱落殺になったおそ松を、足をバタつかせ引き剥がそうとナス子は両手で突っ張り頭を押す。
「面接官にセクハラとか聞いた事ないんだけど! 放せセクハラ魔人!!」
「いや、放さない!! 俺を認めるまではぜ~~~~ったい離さない! つか俺まだ全部言ってないし聞けよ人の話!!」
どうせおそ松の事だ、またくだらない事を言ってくだらないだだっこに走りくだらない子供のような暴れ方をするだろう。
既に想定出来るおそ松の未来を悟ってすぐにハンコを押したがその紙はグシャグシャにされて十四松の口の中に放り込まれ、放り込まれた十四松はつい飲み込んでしまう。
「もしゃもしゃ━━━━━━━━━━んまー!!」
「あ━━━━━━━━━━!! くそっ、紙があぁぁぁ」