第13章 レンタル彼氏、俺 おそ松side
「あーもーダメだわー、やる気なくなるわぁ」
ソファに寝転がり脱力する俺。
そんな俺をナス子が上から覗き込む。
「でも、私はおそ松といるの楽しいんだけど? それだけじゃダメかな?」
「なんだそれ」
「色々頼んでおいてなんだけど、根本なとこはおそ松のままでいいんだよ、注文多くて悪いけど」
顔を覗き込んだまま両手を合わせてくるナス子と台詞を考えると、悪い気はしなかった。
ふーん、俺のままねぇ。じゃぁ、コイツは兄弟の中では俺の事が一番好きって事だよな?
だって俺のままがいいとか言ってるし。
「はっ、結局俺のままかよぉ。なら簡単じゃーん!」
気分の良くなった俺は寝たまま両腕を後ろで組み枕にする。
「任せとけって、ちゃんとやるから!」
鼻を擦りながらそう答えると、ナス子は安心したように笑った。
「ありがとう、おそ松! やっぱりおそ松は本当に優し・・・」
「はーい、条件がありまーす」
またも騙されたのではと思い、念の為1つ付け足す。
「条件?なに、またお金?」
それもいいけど……。
「マッサージしてよっ、お前の店で一番高いコースのやつで!」
「って言うと私が出来るのはエステだけど……」
「んじゃー、それ!」
ナス子も練習になるし俺も気持ちいいって事で名案じゃね?
「えっ、おそ松がそれやんの!?意外!オイル使うんだよ?」
あー、あの客が裸でなんちゃらの?てか意外って何、意外って!俺だって別にどうしてもそれやりたい訳じゃないけど1番高いって言われたら多少の興味くらいは沸くもんだし。
「やる!絶対それやる、いい!?わかった?」
「何をムキになってんだか、わかりましたよ~。じゃあそれで交渉成立って事で!」
※※※
その後は、なるべく自然に疑われないように一応練習しよって事になってカレカノ練習をする事になったものの.......。
「お、おそ松!っじゃなくてダーリン?」
「な、なんだよぉ、ナス子.......じゃなくてハニぃ?」
「「……おぇっ」」
俺らこんなんで大丈夫〜!?
ていうかカップルってさー、セッ×ス以外に何すんの?
お互い胃がムカムカする程の練習が続き最終的に灰になってその日は終わる。
月曜日にこれが出来るかは・・・俺正直全然自信なーい!