第86章 【逆ハー卒業ルート:微エロ有り】プロポーズ大作戦
「無理だから! 身体の相性とか言われても……わ、私、もう……皆の事わかってる、し……ていうか私をこんなにしておいて今更何言ってんの?! だあああああ、変な台詞言った!! やだ、自分キモイ!!」
見事な解決策だと思った六人はポカンと一人暴れるナス子を見つめる。
出された言葉には嬉しさも交じってはいるが全員とは経験済みでもう初めてが懐かしい程だ。
言われてみて確かにもう今更相性とか言われても難しいのかもしれない。
床に突っ伏し頭を抱えるナス子は急にシンとなり真顔で状態を起こすと決意したかのように淡々と口を開いた。
「わかった…………面接しましょう」
「「「「「「 は? 」」」」」」
それは以前、どこかでどこかの誰かが言った言葉と同じだった。
そして、どこから現れたのかわからないパイプ椅子を襖の前に6つ並べ、同じくどこから現れたのか(略)ホワイトボード、張り紙等々、あっという間に松野家不要家族選抜面接会場が出来上がった。
自分としては恥ずかしい事極まりないが、混乱から出た策はもうこれしか浮かばなかった。
むしろ混乱しているからこそこの策しか選べなかったともいえる。
またもどこから現れ(略)背もたれの大きな籐の椅子に腰掛け、テーブルに肘をついて目の前にある冊子に手を伸ばす。
「とりあえずー……いきなり一人に絞れとか難しいので、せめて半分に絞れるよう頑張ります。皆さん存分に自己アピールしてください」
「ええっ、半分?! なにそれ、それはそれで残酷じゃないの?!」
「質問は一切受け付けませんし異論も認めません」
いつの間にやらどこから現(略)メガネを装着し、キラリと光るレンズをくいっと指先で上げ、試験官ばりのノリノリ加減である。
「では始めます。よろしくお願いしまーす」
「進めるんだ?! 何この狂った空間! デジャヴ感ハンパないしっ!」
突っ込みもそこそこに、流れに飲まれやすいチョロ松も並べられたパイプ椅子へと一応腰をかける。
他五人はキレイに左から長男次男と並び、各々座っている。
「えー、じゃ、アピールしたい人ー」
ナス子の言葉に、一斉に始まる挙手合戦。
チョロ松だけが未だこのノリについてこれないようで、周りの兄弟を見てはキョドキョドしている。