第86章 【逆ハー卒業ルート:微エロ有り】プロポーズ大作戦
・
・
・
「はぁああああああああ?! なにそれっ、アンタ達それが理由で結婚しようとかぬかしてきた訳?」
「ま、まぁ……でも、いづれは本気で思ってた事でもあったけど」
「フォローとか今いらないから! ほんっと最悪!! 何でいつもいつも人を物のように扱ってくるのか真面目に問いたい。今度は乳首引っ張るだけじゃ済まさないから!!」
とうとう耐えられなくなり事の顛末を彼女に説明した代表チョロ松は申し訳なさそうに膝に視線をおく。
他の六つ子はあの日の恐怖を思い出し自分達の乳首を守ろうと胸に手をあてていた。
「あのねぇ、結婚って確かに好きな人同士でするものだよ? でもさ、それはお互いが了承して……ちゃんと結婚したいって言う……その、あ、愛がないと出来ないって言うか。まさか実家から追い出されるから結婚したいとか言われるとはね━━ほんっとどうしようもない、クズの中のクズ、底辺中の底辺!」
「愛はあるけど……まぁ、返す言葉もないよね……」
恋人に本気でキレられ全員が睨まれると、一松はシュンとして呟く。
普段弟松に優しいナス子でもさすがに今日は我慢の限界だった。
「でもさぁ~、お前の事は本気で好きだよ? なんつーか……愛してるって……いう、か」
「ああ、そうともさ! 俺達はナス子に夢中だ、マリッジだってしたいと思うのもホントのホントなんだ……ただタイミング的にこのような形になってしまっただけで……」
「ただ養われたいだけのカラ松は黙ってて」
「あ、はい」
いつも逆にカラ松に怒られる事の多いナス子ではあるも、今日は立場が逆。
それもそうだ、養って欲しいなどと言われてもそう易々と了承出来るものではない。
「ねぇ、ナス子姉はもし、もしだよ? ぼくらが今日母さん達に言われた訳じゃなくって本気でプロポーズしにきてたらどうしてたの? そこんとこ教えて欲しいなぁ~なんて……」
上目遣いのトド松は澄んだ瞳をナス子に向け相手の顔色を伺う。
こんな表情に絆される事はなく冷たい視線のままトド松を一瞥した。
「…………無理」
「「「「「「ええ?! なんで……っ」」」」」」
「だってニートだし、クズだし、それに……」
怒っていても相手は恋人。
急なトド松の発言に実は動揺しているナス子は恥ずかしそうに口を開く。