第13章 レンタル彼氏、俺 おそ松side
そして始まる地獄の彼氏訓練。
俺は今何をさせられてるんだよオイ。
多分今の俺、すっげーやる気ない顔してるわぁ。
「まず、君はイベント関係の仕事をしています!」
「えぇ、ニートじゃダメなのぉ?」
初っ端面倒臭ぇ。
「そこはとりあえず聞かれたら適当に返して!子供相手に仮設的な場所を作って遊び場を点々と作ってるとかっ」
職業の話はシコ松の方が良かったかもなー。
まぁ、今更チョロ松にしろとは言わないけどさ。
「んで、私たちはもう10年程のお付き合いをしています」
「まじ自意識高くね? 10年もお前と付き合ってるとかよくその彼氏我慢できるな、あ、彼氏は俺かぁ!」
突っ込みを入れつつもこれは自分、俺が演じるヤツと心で復唱する。
演じるのはカラ松の得意分野なんだけどぉ?
「それから非常識な発言はしない! もし変な事言われたら黙って私に視線をうつして?」
黙ってるのは一松の専売特価じゃん。
「まぁ、それくらいなら俺も出来る」
「それと、なるべく愛想よく!笑顔!! ハツラツしてる感じで元気そうな男をイメージ!」
えぇ、これもうトッティと十四松!!
「総評していい?」
「なに、おそ松?」
俺は一間おいて口を出す。
「これもうアイツらじゃん! 俺の要素一個もなくね?俺どこいった!? 全部聞いてるともうアイツらまんまなんだけどぉ? 俺お前の彼氏だよ? なんで俺っぽい所一個もないわけ?!」
「えぇ、そ、そうかなぁ?」
まるで十四松みたいな猫目になって袖で口を隠す。
探すな、探すなよ俺の要素。
頼んでおいてこれかよ、もっとパパっと見つけろよ俺のいい所とか俺っぽくする所とか!
「・・・」
「・・・」
「あー、いっぱい喋ったら眠くなってきたぁー」
おぃいい!!
マジコイツ腹立つっ、なんっで俺がこいつの為に彼氏しなきゃなんないワケェ?!普通彼氏頼んでるヤツのいい要素くらい一つは出してくるだろっ。
いや、一つと言わずいっぱい、沢山!
普段俺の事どんな風に見てるのコイツーーーっ!
「おそ松兄さん顔すっげー怖いよ!!」
今兄さん呼ぶなっ! 俺今凄ぇ怒ってるからね?!
「えぇっと、おそ松のいい要素・・・要素・・・っ・・・っ」
ナス子は必死に何かを口に出そうとしているが何も出てこない。