第86章 【逆ハー卒業ルート:微エロ有り】プロポーズ大作戦
逆にナス子は訝し気な表情をおそ松に見せる。
「おそ松とは恋人関係ではいたいけど結婚は無理だよ。だってギャンブル好き、お酒大好き、女の子にめっぽう弱い。その癖金遣いも荒いし……先が思いやられる。夫に全然向いてない」
「う……じゃあ! そ、それが治ったら?!」
「うーん、治らないよね。もうそれ持病みたいなモンじゃん」
全く響かないプロポーズ。
おそ松自身は覚悟を決めて来ていたのだが予想よりも酷い言葉が返ってきてしまう。
幼馴染だからこそ全てバレてしまう事にその立場が逆に追い打ちをかけていく。
だからと言ってこれまた幼馴染だからこそナス子が押しに弱い事もおそ松は重々に招致しており諦める気配はなかった。
「んだよぉ、いいじゃん。俺とお前の仲だろぉ? 結婚しようぜぇ?」
「軽い!!」
「今更わざわざムードなんて作ったって俺ららしくなくね?」
あっけらかんとしたおそ松は開き直り全く気にもせず指を立てて説明をする。
というか、何故急に七人で付き合っていたのに結婚の話が出たのだろうかとナス子はわからない。
「━━━━━何か裏があるな」
「へっ?!」
ナス子の疑い視線にギクリと反応を示す長男は口を尖らせて視線を外す。
しかし顔から流れる汗は止まらなかった。
「べ、別に。そっ、そろそろ俺もちゃんと身を固めたいって言うか……やっぱ結婚するならお前がいいっていうの? 楽だし。もう恋人同士だしヤる事もヤってるし」
そう言われると少し絆されてしまうが、おそ松だって結婚願望なんて全くないハズだ。
しかも理由の中に楽だし。とか言われている。
面倒臭がりが似ている二人の考えは確実に同じだろうと思う。
という事は身を固めたいと言うよりは何か理由があるに違いないとナス子は怪しみだした。
「本気で言ってるの、おそ松? ほんっと~に何の裏もなく私と結婚したいって、そう思ってる?」
「アー……………………そうそう、思ってる思ってる」
「その最初の間は何かなぁ?」
そんな会話を繰り広げていると、今度は玄関のチャイムが鳴る。
「チッ、もう来やがったか」
「何言ってんのおそ松、ちょっと出てくるから待ってて」