第86章 【逆ハー卒業ルート:微エロ有り】プロポーズ大作戦
嬉しいには嬉しいがおそ松の場合、構って欲しい病が強い為、ゲームや好きな事に集中出来ないしアニメすら見させてもらえない。
構え構えと何かしら邪魔をしてくる事が多い。
だが今のおそ松はゲームを邪魔する事なくただ無言で寄りかかるだけ。
いつも取り上げてくるスマホを取り上げずただボケっと彼女に寄りかかっている。
逆に静かすぎるおそ松に心配になってしまう。
「「……………」」
「………ねぇ、今日ちょっとおそ松変じゃない?」
「あー……なぁ。お前って……その、アレに興味ある?」
「あれぇ? アレって何の事」
言いたい言葉はその重さから吐き出せず察していただけないかとおそ松は咳ばらいをする。
「だ、だから……その、え、永久……就職、とか?」
「……は? それはアンタが実家でしたいものでしょ」
全く伝わってない。
おそ松の普段の行いが全て悪いのだが、ナス子も正直あまり頭がいい方ではないので言いたい事がわからない。
「っだ、だから、さ! け、けけけけけ、結婚……とか」
「━━━━━━━━━━はい?」
真っ赤になったおそ松はもたれかかったまま下を向き顔を紅潮させた。
さすがにその言葉をスルーする事は出来ずナス子もゲームを一度やめておそ松の言葉を確認する。
「い、いきなりなに? 結婚……とか、誰と誰が……」
「んなの、お前と俺に決まってんだろが、察しろ鈍感女」
俺とお前……と、いう事は他の恋人達を差し置き、自分を選べと言われているように感じる。
いきなり遊びに来たと思ったらこれまたいきなりの爆弾発言にナス子も目を丸くしているのだが、その言葉はすぐに返された。
「………ない。結婚したら面倒臭いもん」
「んな! 面倒な事なんてないってぇ、ちょっとお前が家に入ってくれればいいだけで後は父さんと母さんが全部やってくれるし!!」
「いやいや、さすがにお嫁に行ったらそうはいかないでしょ~、ってかアンタも何かしないさいよ」
説得をしてきていても自らが変わる様子はないようだった。
その台詞につい目から溜息が漏れるように感じる。
「ちょっと退いて」
「ん」
二人、胡坐を掻いて向かい合って座る。
おそ松は至って真剣な顔だった。