第86章 【逆ハー卒業ルート:微エロ有り】プロポーズ大作戦
「ぶぇっくし……ズズ……風邪かな? 悪寒がする」
マンションの中でくしゃみをして二の腕を摩り、ブルリと一瞬鳥肌が立ち悪寒が走るナス子。
今日は休みだからとたまには松野家にいかずゆっくりしようと決めてゲームをダラダラとプレイして遊んでいた。
が、玄関からガチャリと音がすると、スペアキーを所持しているアイツが来たのだなと心の中で理解する。
特に迎え入れる事などせずとも勝手に上がり込み、勝手に物を漁り、勝手に喋って勝手に弄り倒してくる相手。
松野家長男、おそ松だろう。
「よ、よぉ」
「あ、やっぱりおそ松だった。どうしたの? 今日はそっちの家に行かないって言ってたのに。もしかして私に会いたくて来ちゃったとかぁ? なははは、な~んて.......」
「……まぁ、会いたいと言えばいつだって会いたいよ。彼女なんだからさぁ」
「━━━━━え? どうしたの、おそ松。熱でもあるの? なんか素直じゃない? 気持ち悪い」
「おい、遊びに来てやった彼氏にそれって酷くね?!」
おそ松は構ってちゃんではあるが彼女のナス子に対して甘える事もあるものの、いつも会う度皮肉から始まる。
そんな長男は何故か視線をウロウロさせている。
「変なおそ松。私はゲームで忙しいので好きに遊んでちょうだいなぁ」
「まぁたゲームぅ? お前もしかしてゲームしたいから今日家に来なかったとか?!」
その通りである。
あの家に行けば絶対に誰かしらの相手をする事は確実。
たまにはゆっくりとしたい。
「それもそうだけどたまには身体の疲れを癒したいと言いますか……アンタ達、盛りすぎなんだもん」
「そりゃぁ、だって彼女がいたら触りたくなるだろ?」
そういうとおそ松はゲームを持ったまま寝ころんでいるナス子の上にもたれかかる。
「うぐ……お、重いいぃぃ」
「お前だって前は重かったろうが」
「今はおそ松よりも体重減ったもん!!」
「………」
「………」
六人と付き合うようになって毎度体力を削られ、食事をする事を忘れてしまうくらいその行為はしつこい。
「だから今日は何もしないからね?!」
「えー、折角俺が遊びに来てやったのにぃ、彼氏が会いに来て嬉しくねぇのぉ?」