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【おそ松さん】松野家と年上幼馴染(R18)

第85章 【一松ルート】松野一松の希求








 ――――俺は、俺が好きじゃない。



「私は好き」



 ――――俺は俺なんか嫌いだね。



「一松が嫌いな一松も、私は好き」



 俺がそう言うと、決まってそう返してくれるナス子のその言葉が聞きたくて、わざと口に出したりする、面倒臭い奴。

 でも、人間て不思議なもんだよね……誰かに愛されてるって思うと、愛されてる分だけ自分を少しだけ愛せるようになるんだよ。

 俺は、俺が嫌いだけど、ナス子のことは――――――



 ――――――愛してる。



 愛した人に愛してもらえた。

 それだけで、何度死んでも、何度ひどい殺され方をして死んだとしても、戒めることなんて出来ないと思う。

 自分が愛した人が、自分のことを愛してると言ってくれているという、確かな価値は感じることもある。

 けど。



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