第84章 【R18】【おそ松ルート】おそ松の葛藤
「おそ松、あのね」
「ナス子は黙ってて。俺が言うから」
「え、でもあの……」
「いいからっ」
「ふふ、お土産ありがとうね。お話は何かな、おそ松くん」
黙ってろと言われ彼の気迫に押され黙るしかなくなったナス子は隣に共に正座してチラリと横をみる。
おそ松はあまり普段見ない真面目な緊張の顔を浮かべている。
そして━━━━━━━━━━
「さーせんっっっっしたあああぁぁぁぁぁぁっぁ!!!」
「え?!」
黙ってられずつい声を上げたがすぐに口を噤み見事な土下座を母の前で決め込むおそ松を見る。
「どうしたのおそ松くん? 何か謝る事したかしら? 思い当たる事が何もないんだけどなぁ」
「………俺、本当は今日働き先を探しにハロワに行ったんだけど、全然見つからなくて、結局いつもとかわらず追い返されたって言うか」
「あらあら、ハロワの人も見る目ないのねぇ?」
いや、母よ。
コイツは優しいし頼りになる所もあるが基本クソだとナス子は突っ込みたくなる口をまた押える。
「俺、あの……実は、その、ナス子と付き合ってるって言うか」
「うんうん」
「違う、もっとハッキリ言わなきゃダメだよな。ナス子と付き合ってます!! おばさん、俺みたいなどうしようもないヤツだけど俺、もうナス子の事好きで、どうしようもないっていうか……出来ればその、ずっと離れたくないっていうか」
おそ松の必死な様子に母は優しく口元が上がっているが、真剣に話す言葉を遮る事はなくこちらも真剣に話を聞く。
一方のナス子はおそ松が就職しようとしていた事に目を見開き驚きの視線をおそ松に向けて、おそ松の言った言葉に心臓がドクリと脈を打つ。