第13章 レンタル彼氏、俺 おそ松side
あー、普段上から偉そうに見下してくるヤツを叩き落とすのって気持ちいいー!フ~♪
「んで、本題はなんなの? 一日彼氏ってどゆことぉ?」
俺はわざとらしく床に寝転がると鼻くそをほじる。
やっべー、ナス子の彼氏扱いされてるのは凄ぇ納得いかないけどすっげー気分イイ。
「仲のいい職場の友達が、私の彼氏と会ってみたいって言っていてだね・・・」
「ふーん」
鼻くそを適当な所に飛ばす。
「今度の月曜日、2連休をとったのだけど」
「そこで俺を紹介したいって訳ぇ?」
「まぁ、そうなんだけど約束をしてしまいまして・・・」
出た、NOと言えない女子。
コイツ本当いつも人との約束断れねぇよな。
俺らにはズカズカ言ってくる癖に。
普段は家でダラダラ、出来る事なら寝てるかゲームしてるか漫画読んでたい干物女子が。
「約束ぅ? なに約束したんだよ」
俺の態度は相変わらず、今度は耳をほじって耳垢を飛ばす。
「月曜日に友達の彼氏とダブルデート」
「え、えええええええええ?! デデデデデートぉ?!」
その単語にビックリして俺はさすがに起き上がる。
何約束してんだよコイツ!俺と、多分幸せ真っただ中の職場の女の子と一緒にダブルデェトだぁ?!
「えー、やだよ俺ぇ。なんで俺がそんな面倒臭い事しなきゃなんないんだよ、しかもお前の為に」
俺の責め口調にさっきから体を縮こませているナス子。
んー、さすがに気の毒か?
嘘ついてるコイツが悪いにしても俺も日ごろコイツには世話になってるワケだし・・・。
「ごめん、おそ松・・・やっぱ嫌だよね、でもおそ松にしか頼めなくて・・・」
ん?
「本当は六つ子だし、他の皆はきっとあんたら兄弟の顔の区別はつかないだろうから違う人に頼んでも良かったんだけど…」
おい
そしてナス子は俺たちの兄弟の話を出し始めた。