第13章 レンタル彼氏、俺 おそ松side
「・・・・・・・・・・・・・」
「わかってる、言ってる私もわかってるよ。自意識高いなぁとか、トッティのKO大の事馬鹿に出来ない嘘をついている事は・・・・・」
ほんとだよ、お前はシコ松またはトド松か。
俺は真顔になってナス子を見る。
そんな俺を見ながらナス子は言いづらそうに話を続けた。
「職業柄ね、お客さんにセクハラとか受けたり、LIMEのIDとか聞かれたり、彼氏いるの?とか結婚してる?とか色々言われるのが嫌になって・・・職場の皆にも結婚云々とかよく聞かれるし、面倒になっちゃってそれで、ね」
それで彼氏がいる事になってるってワケか。
まぁ、職業柄仕方ないにしてもなんで俺だよ、この写真の意味もわかんねぇんだけど。
俺がコクリコクリと頷きながら写真に目を向ける。
視線の先に気づいたんだろう。そのまま話を進めた。
「それでまぁ、この写真に話を戻すけど・・・この前たまたま仕事中にトド松からLIMEが入ってね」
「ふーん」
「『この前は楽しかったね♪また一緒に食べに行こうね!』って文章と共にこの画像が送られてきたのよ」
「へー」
「たまたま両隣にいたスタッフに写真見られちゃってさ」
「そうなんだー」
ナス子の言ってる意図がわからずとりあえず返事をする。
「これが例の彼氏なのか、って聞かれてさ。実は彼氏いるとか嘘ついておきながら今までそれらしい人の写真を見せてなかった私は・・・」
その言葉にやっと俺はコイツが言おうとしてる事を察した。
「俺の事を彼氏と紹介したのかお前、マジかよー」
「だ、だってもう逃げ場がなくて!! しかもアンタお酒飲んでたから顔赤かったしちょうど良かったというか・・・」
「へぇー、俺の許可もなく勝手に彼氏ってねぇ?
普段随分な言い草したり姉貴面してくるお前がまさかそんな事する女だったとはなぁ~」
ちょっと俺の方がこれ立場上じゃね?だって勝手に彼氏扱いされた訳だし!
「ご、ごめんって! 本当申し訳ないって思ってるよっ。私だって本当はおそ松なんか彼氏として紹介したくなかったのに!!!」
「えー、そういう事言っちゃうのナス子姉、俺被害者だよっ?無許可で彼氏にされたんだよー?? 俺の気持ち全く関係なく俺の知らない所でさぁ」
「うぅ、言い返す言葉もございません・・・」