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【おそ松さん】松野家と年上幼馴染(R18)

第84章 【R18】【おそ松ルート】おそ松の葛藤



 ナス子が玄関から外に出ると、長椅子におそ松が腰掛けボーっとした憂いのある表情でどこがわからない場所を見つめている姿が目に入る。
 そんな横顔にドキリとしてしまうあたり、やはりクソでも好きなんだなとナス子は思ってしまい煩い心臓を押える。

「あれ? ナス子帰んの?」

「うん、だって当の本人もいないんじゃ話にならないし、このまま話してても埒飽かないじゃん」

「━━━━━━━━━━あー……悪い」

「今更だけどねぇ」

 帰ろうと思ったのに、おそ松の姿を見ると離れがたくなりついつい隣に腰掛けてしまう。

「おそ松」

「ん~?」

 おそ松は煙草をふかしたまま、まだどこかを見ていた。

「好きだよ」

「ぶっ……ぶほっ、げほっげほっ……な、なななんだよ急に! 俺あんなに酷い事言ったりこんなヤツなのに……カッコいいのは変わんないけどね!」

「言いたくなっただけ。私は多分、今のおそ松でもどんなおそ松でも好きなんだよ。呆れたけど嫌いになんてなれないし別れたいとも思わないし」

「…………ナス子」

「だから……、あんま無理しなくていいよ。私から言った事だけどさ無理するおそ松なんておそ松らしくないでしょぉ~? にひひひ」

「おっまえさぁ、反則だよその顔と台詞。今すぐココで押し倒したくなるんだけど?」

「それしたら半年口は聞かないけどね!!」

 腰にさり気なく手を回すおそ松の手をペシリと払いのけてナス子は立ち上がる。
 我ながら恥ずかしい事を言ってしまったが本心だ。

「今日はちょっと一人で居たいかも、ごめんねおそ松」

「え、あ~……本当は嫌だけど、わ、わかった」

「よーしよしよし、聞き分けのいい弟でちゅねぇ」

 にししとした笑顔でおそ松の頭を撫でて去ろうとした時、その手首をおそ松が掴み止める。

「俺も」

「ん?」

 振り返っておそ松の顔を確認すると目が下を向いている。
 どうしたのかなと思ったが、掴まれた手首は簡単に離されてしまった。
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