第84章 【R18】【おそ松ルート】おそ松の葛藤
「ナス子、大丈夫?」
「チョロ松、ごめんね? 他の皆も。急に訪ねてきて変な事相談しちゃって……しかも自分達の問題にまで巻き込んじゃってホントごめん!」
おそ松の代わりに頭を下げ、全員に謝罪をすると、皆で膝立になり両手を振った。
「いやいや、ナス子の所為じゃないし。悪いのはおそ松兄さん本人だから! それに一応僕ら兄弟な訳だし他人事ではないよね」
「別れちゃえばいいのに……とは思うけど好きなんでしょ? あんなんでも」
一松に目を覗かれて真っ赤になって頷く。
どこが好きと言われるとあんなでも全部好きになってしまった。
どうしようもない所が母性本能でもくすぐっているのだろうか。
「姉さん、なんだかんだ言って皆でいる時もおそ松兄さんの事いっぱい見てるもんね!」
「う……そう言われると恥ずかしいですな」
相談事は何も決まらない。
今はただの愚痴や惚気のような会話に変わっているだけ。
「とりあえず何も変われないならせめて身なり整えて菓子折りもって畏まった挨拶にいくしかないんじゃない? 知ってる仲でもあるし、どんなにクソなおそ松兄さん相手でも優しくはしてくれると思うしさぁ」
「さすがトド松は機転が利くよねぇ……」
「方法ならもう一個あるけど………聞きたい?」
多少言いづらそうな雰囲気を出す一松がポツリと言うとナス子と皆の視線は一松に向く。
「う、うん……き、聞きたい」
「━━━━━━━━━━子供」
「へぁ?!!」
「だから、さすがに出来ちゃったら認めざるを得ないんじゃない? さすがに俺もちょっと嫌だけど……」
「いや、私だってまだそんな事考えてないし!!」
一松の発言に全員目がギョっとした。
確かに授かってしまえば両親も納得するだろうがだからと言ってそれを実行したいとは思わない。
逆に今、この場からおそ松が退散してくれて良かったとナス子は心底安心した。