第84章 【R18】【おそ松ルート】おそ松の葛藤
カラ松が低い声で淡々と言う。
これは機嫌が悪いと言う事が全員に理解出来ると、おそ松も渋々ナス子の膝から頭を退けた。
「うーん、仕事もだめ。趣味も変えられない。それならおそ松兄さんはどこを変えればいいんだろう? でも変わっちゃったらもうそれはおそ松兄さんじゃない訳で━━━━━━━━━━……」
「ほらみた事か、十四松がどっか行っちゃったよ、一松。十四松なんとかしてやって」
「はいよー、よぉしよしよし、戻って来い十四松……大丈夫、ちゃんとおそ松兄さんのまま変われるように考えよう」
「うーん……」
「あー!! もうっ、クソ面倒臭ぇ! いい加減何か変わろうとしたらどうおそ松兄さんっ、仮にも長男でしょ?! 少しでも変わったらそれはおそ松兄さんじゃない訳? でもナス子姉の事大好きなんでしょ? そう思えば多少の苦労くらい耐えられるんじゃないの?! そんな事ばっかりしてたらハッキリ言ってぼくはもう黙ってないからね!」
「……はぁ? そ、そりゃ。ナス子の為ってなったら少しくらいは変わってやってもいい、けど、さ……つか、黙ってないってなんだよ」
「ここで言える訳ないでしょぉ、でもおそ松兄さんはわかってる事だよ」
「━━━━━━━━━━……」
「トッティ?」
トド松の台詞が引っかかり首を傾げるナス子だったが、姉としての心配をしてくれるトド松は優しいと再度株が上がる。
「あ、ああぁ、なんでもないよ、なんでもない! いや、なんでもなくはないけど……それは今じゃなくていづれ言うから……っ」
「抜け駆けとは卑怯だなとどまぁつ、それならこのカラ松だってこの熱い想いは燻ったままなんだぜぇ? 俺だって黙ってはいられない。しかもこの状況だ、クソ長男が最下位に変わるのも時間の問題だろう、フフン」
トド松とカラ松の台詞に頬を膨らませおそ松は起き上る。
「………っ」
何か言い返したいが今の自分のクソさだけは理解出来、イライラがMAXに募ると立ち上がって部屋の襖をあけ放つ。
「外でタバコ吸ってくる!!」
「「「「「は?」」」」」
「もう、ほんっと子供なんだから……」
しかしナス子は慣れてきているので怒りもせずその背中を見送った。