第13章 レンタル彼氏、俺 おそ松side
「おそ松」
「ハッ、ハハハハハハハ、ハイ!」
何故俺はこんなにも緊張してんだ。落ち着けよ俺。
相手は初めて人間の物真似が出来たチンパンG。
いや、ナス子だった。間違えた。似てるけど違った!
「私の、彼氏になってください!!! ちょっとだけっ」
俺の思考回路が一瞬マジで停止した。
「は? は? はぁああああ?!」
やっぱ告白じゃん、コイツ俺の事好きなんじゃん!
俺間違ってなかったよ?何これ初めて女子から告白されたんだけど、相手ナス子だよ?!
まさかコイツから告白されるとか、これ女子に告白された回数にカウントしてもいい訳?!
いや、生物学的には女には女だしカウントするのか…
俺が思考をグルグルさせていたら何かを察したナス子が説明を始めた。
「あの、おそ松。多分違う、そういう意味じゃない」
俺とナス子?もし付き合ったとしたらどうなる?
まずはちゅーしてアレしてコレしてセック×だろ?
出来る?今の俺にそれが出来るってか?ナス子相手に?
いやいやいやいやいや、マジこれキツイでしょー。
相手はナス子だぞ?落ち着けよ俺。
「おそ松!! おそまぁーーーーーつ、しっかりしろおそ松ぅぅぅぅ」
そして俺は気づくとナス子に胸倉を掴まれ往復ビンタをされていた。
「ハッ!!!」
「やっと正気に戻ったか、違うって! 恋愛とかの好きじゃないんだって!!!」
え、どういう事?だって付き合ってって言ったじゃん。
俺の事好きじゃないのに付き合ってほしいの?
いくら彼氏が何年もいないからって別に俺に言わなくたってさー・・・
「勘違いしないで、付き合ってと言ってもちょっとの間っていうか一日でいいの!」
「はぁ? どういう事??」
やっと俺が聞く姿勢を出し体勢を胡坐にかえる。
ナス子は何やら携帯を弄っている。
「まずはこれを見て欲しいの」
差し出された携帯に映しだされたのはこの前のラーメン屋での写真。
俺がナス子の肩に腕を回してる。
「これがなんだよ、この前のラーメン屋の写真だろ?」
「これが発展の元なの」
ん?どゆこと?俺まだ意味わかんねぇんだけど。
コイツ説明下手か!
「実は、実はなんだけどね・・・私、会社では彼氏がいる事になってるの」