第84章 【R18】【おそ松ルート】おそ松の葛藤
ちなみに、何故ナス子が松野家に遊びに来たのが久しぶりかと言うと、当のおそ松が弟達に彼女を会わせたくはなく常に一人独占していたいからこそずっとこちらからマンションに出向いていた。
「ナス子はこう言ってるけどホントだからな! 俺の事好きで好きで堪らないって」
「ばっ、馬鹿な事言うな! 馬鹿、ニート、馬鹿!!」
「三回言った!?」
好きだ、間違いなく好き。
多分今後おそ松以外に好きになる相手はいないのではないかと思うくらいにはおそ松に溺れている。
そんな事口が裂けても言えないナス子だが、顔は素直で嘘がつけない。
そんな姉を見た弟達も、嫌そうな顔で溜息をついた。
「も~、ナス子姉ってほんっと趣味悪いよねぇ? 何でよりによって一番脳内が小学生のおそ松兄さんにいっちゃうかなぁ。ぼくの方が断然ナス子姉を楽しませてあげられるのにさ」
「おい、末っ子ぉ! 変な事言うなよ、んな事言ったってコイツは俺に夢中だから入る隙なんてないけどなっ」
「あのさぁ……ただイチャつきたいなら他でやってくんない? ただ不快なだけだし……」
「おそ松、ここにナス子を連れてきたという事は何か俺達に言いたい事でもあるんじゃないか?」
珍しく一応、初期参謀だった男が口を開き二人をこれまた嫌そうな眼はしているが一応鏡を下ろし二人を見る。
「言いたい事ぉ?! なになに、別れるの?!」
「ちっげーよ! なんでそんな事いちいちお前らに報告しなきゃなんねぇんだよ」
若干期待の混じった十四松は袖をパタパタさせて嬉しそうにナス子を見て笑っている。
「えー! 違うのぉ、へこみ~……」
「手、繋いでるし違うでしょ十四松。カラ松の言う通り何か話が合って来たんでしょ、おそ松兄さんがナス子を自分から連れてくるなんて珍しい事だし、3文字以内で聞いてやるよ」
「チョロ松、それ短くね?! さすがに3文字は無理だからっ」
チョロ松の冷徹な判断におそ松が言い返し咳ばらいをする。
まだナス子の手は握ったまま、本題を口に出した。
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