第84章 【R18】【おそ松ルート】おそ松の葛藤
「今日は……ミケ子はいないの? せっかく遊びに来たのにナス子だけとか、あーあ……残念」
「ミケ子は今実家に預けてるんですぅ、すみませんね私一人で!!」
「姉さんいらっしゃー!! 将棋する? 野球する? あ、プロレスでもいいよぉ」
「しないから!!」
久しぶりに遊びに来たがやはり全員揃うと騒がしい。
けどこの感覚は長い年月の所為か落ち着いてしまうが、何故かおそ松だけはナス子の手を皆の前でも離そうとせず全員を一瞥している。
「わざわざ連れてきちゃうとか、おそ松兄さんも馬鹿だよねぇ」
「いーの! コイツは俺に夢中だから!! なぁ、ナス子」
「え、さ……さぁ、どうかなぁ?」
「おい、話の流れえぇぇ、さっきの会話どこいった!?」
他の幼馴染の前で惚気るなど絶対にしたくはないナス子、場所が変わっただけですぐに天邪鬼に戻ってしまう。
「とりあえず二人共入り口にいないで座れば?」
「うん、おじゃましまーす」
「俺の家なんだから好きにするしっ」
チョロ松に促され床に座る二人。
一行におそ松はナス子の傍から離れる事なくまるで番犬のようにでもなったかのようだ。
「近くない?」
「近くない! この部屋は危険だらけだから離れんなよ?!」
「どういう事よそれぇ?」
「いいから!」
おそ松の口から出された言葉はナス子以外の人間は理解している。
まだ幼馴染で姉のような存在への恋心を捨てきれない、というか馬鹿な長男相手ならいつだって出し抜けるチャンスはあると思う弟達はおそ松の番犬の姿を見てコチラを警戒しているのが易々と理解出来た。