第84章 【R18】【おそ松ルート】おそ松の葛藤
ナス子からしたら好きになった相手と付き合える事になり光栄な事には変わりないが、家族に報告するとなると光栄ではない。
なんたって相手は無職で幼い頃から知っている相手である。
しかも六つ子の区別はつかない親と言えどそれぞれの性格だけは把握している。
おそ松はギャンブル好き、酒好き、女の子が好き。
これでどうして親に紹介ができるというのか。
だからと言って、認めてくれる可能性もあるのだがハッキリ言っておそ松の趣味を考えると認めてもらえる方が可能性としては少なく感じた。
「言えると思う? ニートな彼氏で金遣い荒くてお酒大好きでお騒がせ六つ子の、しかも一番上と付き合ってるなんてさぁ」
「…………あー、言えないね」
「でしょ? ていうかそう思うならアンタもちょっとは変わってくれると有難いんですけどぉ?」
「えー、俺はずっと拗ね齧って甘えて生きていきたいの! これからもずーっと! それに結婚したらお前は俺の家に嫁ぐんだから別にいーじゃん」
「養うのは誰よ」
「父さんと母さんと……お前?」
全く変わろうとしないこの男は本当に将来の事を考えてはおらず、いつも行きあたりバッタリな生活をしている。
「ふざけんな、何で私まで養わなきゃなんないのさー! も、もしそうなったら……お金は入れるけど、さぁ」
「まぁ、俺らに結婚とか早いよねぇ。お前は行き遅れだけど~」
言われた瞬間枕をおそ松の顔面に向かって投げつけてやる。
「━━━━━━━━ぶっ、なにすんだよっ」
「そんな行き遅れを好きになったのはどこの誰ですかねぇ……ほんっとその減らない口を永遠に閉じてやりたいわ」
「それこそナス子だってそんな俺の事好きになった癖にぃ」
ニヤニヤした顔で返されて、また顔が近づく。
キスするんだなと理解すると不意に顔を背けてやった。
「まぁまぁ、照れんなってぇ」
「いや、この会話でなんで照れるかな! 好きになったけど今は違う問題で怒ってるし困ってるの!」