第83章 【R18・一松ルート】意地悪?
そんな事を言われてもキスされるのは嬉しい訳で全く動じないナス子は更に言葉を続ける。
「アーハーン?」
「だからっ」
「私の身も、心も一松一色!! アンダスタァ~ン?」
「?! ………………あ、あんだすたぁ~ん……。」
不貞腐れた顔の恋人は、剥れたままの表情で天邪鬼満載でついイタイやつの言葉を借りてその愛を告白する。
赤くなっている一松も、本当はぶち殺したくなる相手の口調で言われるのは気に食わなかったが、ナス子の言葉につい同じイタ語を出してしまった。
「…………負けた」
「へへ、勝ったぁ!」
「って、いや……これなんの勝負?」
「さぁ? ふふふ」
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結局、言わせたいのに先に言われて真っ赤になって俯くだけ。
お互いシャワーを浴びた後、のんびりと寄り添いながらTVをつける。
たまたまやっていたTVでやっていた特集が猫特集で二人は目を輝かせながらそれを見ていた。
「猫って独占欲強いよねぇ、ほら今のTVの子もご主人様が他の人と遊んでるだけで怒ってるし」
「……うん、そうだね。でもそれって猫だけじゃないから」
「ん~?」
「あんまりさぁ、他のヤツに触らせないでよ」
TVを見ながら一松がポツリと言葉を吐き、至近距離から聞こえた声に反応すると、言ってしまったと言う顔をして照れ臭そうに膝を抱える恋人四男。
「他の奴? 六つ子の事じゃないよね、それいつも言ってくる事だし…………あ!」
急に隣から大声を出され、TVに出ている猫のように体をビクつかせる一松はなんとなくナス子が言いたい事を察しまた体を縮こませる。
「さては……LIME見たな?!」
「…………………どうですかね」
ナス子がスマホを片手に、一松にジトリと視線を向けるとその視線は合う事はなく外され、今度は叱られた飼い猫のようになった。
立場が先程と完全に逆である。
「はぁ、それならそうと早く言ってくれればいいのに。妬き持ち一松ぅ」
「はぁ!? べ、べべべ、別に俺は妬き持ちとかそういう重い事考えてなんて……」
「そうなの? ちょっと嬉しいと思ったのに」
「へ、あ……はぁ?!」
そりゃそうだ。
まぁ、束縛されすぎるのは好きではないが、妬き持ちは焼かれないより妬かれる方が嬉しい。
だってそれは━━━━━━━━━━