第83章 【R18・一松ルート】意地悪?
「愛を感じますからね」
「そういうもの?」
「そういうものです」
「ふーん………」
横に座った、一松よりも一回り小さな恋人。
肩に擦り寄り、自然と擦り寄られた本人も擦り寄り返す。
「ふ、ふふふ」
「え、なに、気持ち悪いんだけど……」
「いや、ミケ子も混ざって私達って……猫家族してるなって」
「あー……」
ナス子の隣で丸くなって寝ていたミケ子は自分の名前を呼ばれピクリと耳を動かすが起きる気配はない。
「ナス子、さっきのやつ、なん……だけど、おお、俺も、ずっ……ずっと前から……」
「私の一松!!」
「はいはい、ソウデスネー。ていうか先に言うなよ」
「なははははは! 恥ずかしがりやな一松の代わりに言ってやっただけぇ」
まだ膝を抱え視線は合わせられない素直でない恋人一松に全体重を預け、寄りかかる。
幸福な一時に目を瞑って、心地よさを満喫していると、か細い声でその大好きな声が上から聞こえた。
「とっくに、俺の……っ……は、お前に全部とられてるから」
「くふふ」
その言葉が一松の言いたい言葉の限界だろうとつい笑いを漏らすと、逆に反対側の体重も大きく傾けられ、二人は床に転がってしまうと目が合い、照れ臭そうに噴き出した。