第2章 平穏な日々に嵐はやってくる~カラ松~
いやはやでも洗濯を取り込んで畳んでくれたのは本当にありがたい。
いつもイタイやつだけど、二人の時は甘える時以外は割と普通に接してくれるんだよね。
いつもはイタイけど。イタイけどね~~いつもは。
と、カラ松の視線が下着にあるのに気が付き、すぐに見えない所に仕舞った。
「色気ないとか言っといて、顔赤くしてじっと見つめてるのもおかしいでしょ、もう」
「なっ! そ、それは耐性がないと言うか…マミーの下着くらいしか見た事がないというか」
やはりか。
それさっき思ったから。突っ込むタイミング逃したやつだから。
「私はあんたらの下着姿は見慣れてるけどね、悲しい事に」
「ほう、ナス子は俺たちの下着に釘付けという事か。 6人全員のものを見慣れているという事は耐性もあり、その下着姿にドキドキしている、と。特に、オレの!!……ビンゴ~?」
どんな解釈なのだろうか、顎に手をおいてフフンと鼻を鳴らしながら得意げに指も鳴らしてきた。
「ビンゴでもリーチでもないわ。 耐性あるのにドキドキとかするわけないし」
「今度はとっておきの俺デザインのパーフェクトランジェリーを見せてやろうじゃないか」
「いえ、結構です」
「え・・・」
どうせクソタンクトップみたいなクソランジェリーが出てくるんでしょ?
わかってるから。それだけは未来が見えるから。
「そうか・・・中々の出来栄えだったから見てもらいたかったんだが…」
残念そうにするカラ松に死んだ魚のような視線を向ける。
「って、え、ちょっと待って? カラ松」
ふと素に戻った時、当たり前の事を聞き忘れていた事に気が付いた。
とても大事な事だ。
「な、なんだ? やっぱりオレのハンドメイドランジェリーが見た」
「なんで家の中にいるの?」
「ん?」
カラ松はさも疑問のように首を傾ける。
「だから何で鍵かけてたのに家の中に…チェーンもかかってなかった?」
「いや、チェーンはかかってなかったが」
「鍵はかかってたのね?! ど、どどどどどどうやって中に入ってきたの?!」
「え、おそ松から聞いているんじゃないのか?」
カラ松は未だ訳がわかってないようで更に首を捻る。
「おそ松?昼間に家に来たけど鍵は返してもらったし…」
「え」
「え?」