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【おそ松さん】松野家と年上幼馴染(R18)

第82章 【逆ハー卒業ルート】なんという事態…! カラ松&トド松



 なんとなく急いでテーブルへと着き床に座ると、ミケ子がトド松の膝からナス子の膝へと飛び移った。
 少し落ち着きがなくなっているその様子に、雷に怯えているのかとナス子は優しくその小さな身体を撫でる。

「よしよし、大丈夫だよーミケ子こんなに大きい雷は初めてだからビックリしちゃってるのかな」

「あ、また光った」

 と、トド松が言った直後、すぐそばにいる人の話し声もかき消そうかという雷が鳴り響いた。
 あまりの音に振動で窓ガラスがビリビリと揺れ、当たる雨風と相俟って割れてしまうのではないかと思ったほどだ。

 そしてその数秒後、部屋の灯りがチカチカと不規則に点滅し始め、数秒もしない内に部屋中の電気という電気が落ちる。

「げっ! ブレーカー落ちた?!」

「違うと思うよナス子姉、これ停電なんじゃない? 今の雷で……ほら、窓から見える近所の明かりも、街灯も消えちゃってるよ」

 黒く厚い雲に覆われ薄暗い外と部屋の中。
 時刻はまだ15時を半分過ぎたといったところだったが、時間が早送りでもされたかのように暗くなっており、灯りなしでは色々心許無い。

 今はまだ大丈夫だが、もしこのまま停電が続いたら、どんどん暗くなっていってしまう。

「ナス子、懐中電灯は常備しているか?」

「う、うん、一応玄関の棚に確か……でも、ほとんど使うことなかったから、電池があるかどうか」

 まだ視界が利くうちに、先のことを考えて行動をしなければならなかった。
 カラ松が言われた玄関の棚をよくよく探してみると、なんのことはない、部屋に元々備え付けられていたのであろう懐中電灯が、コンセントへと差し込まれていた。

 それを引き抜くと、同時にランプが点灯し周囲を照らす。

 リビングへと戻り、それをテーブルの真ん中に置くと、柔らかい灯りが部屋を照らし、非日常的な外の天気や状況が、こんな事態にも関わらずなんとなく三人の心を昂揚させた。
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