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【おそ松さん】松野家と年上幼馴染(R18)

第82章 【逆ハー卒業ルート】なんという事態…! カラ松&トド松





「はぁっ……はぁっ……あーもーっ、結局ビショ濡れになっちゃったしっ……!」

「はぁ……っはぁ……っごめ……ごめんっ、二人ともっ……ぜぇ……私のせいで……っ」

「大丈夫か、ナス子、トド松。今タオルを持ってくるから、二人はそこで待っていてくれ」

 カラ松のあの底なしの体力はどこから来るのか。
 三人の中で一番重い荷物を両手に持ち、マンションまで走り階段を上がり、それだけでグロッキーな二人を尻目に、多少息を切らしただけのカラ松に、賞賛とも怪訝とも取れる視線が向けられていた。

 玄関にへたり込んでしまった二人が持っていた荷物をも持ち上げ、全ての荷物をいっぺんに抱え一人部屋の中へと運んでいく。

「カラ松兄さんのあのゴリラ並の腕力は一体何なの……最初から全部カラ松兄さんに荷物持たせればよかった……」

「ホントにごめんねトド松……とんだ災難に巻き込んじゃって……」

 トド松の台詞にどんどん縮こまってしまうナス子に、トド松はしまったという表情をして慌ててフォローする。

「あっ、違うんだよナス子姉っ……災難だなんてそんなこと思ってないから! ごめん、ぼくのほうこそちょっと文句多すぎたね、トッティ反省反省っ」

 わざと明るい声色を出してナス子を安心させようとするトド松の優しさに、落ち込んでいた心が少しだけ軽くなりお互い目を合わせて微笑む。

「二人とも、ほら、タオルだ。靴下はそこで脱いでしまってくれ、後で洗うから」

 タオルを手に戻ってきたカラ松からそれを受け取り、濡れてしまった髪の毛や身体を拭きつつ礼を言う。

「ありがとうカラ松母さん……」

「え? いや、母さんではないが……とりあえず、拭いたら部屋に上がって、身体が冷えてしまう前に着替えた方がいいな」

「カラ松兄さんさぁ、実家でも同じことしてくれればいいんだけどね」

「家にはマミィがいるから俺がやる必要はないだろう」

「っていうこともないと思うんだけど。やらないぼくが言うのも何なんだけどさ」

 まるでここがカラ松の家かのように、部屋主のナス子を置いてけぼりにして話がトントンと進んで行く。
 しかし別段いつものようにおかしなことを言っているわけでもないので、ここは素直に従う。
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