第81章 【十四松ルート】ステイ
「姉さん!! おはようございマッスルマッスル、ハッスルハッスル!!」
扉を開けると、昨日とは違い元気な十四松が顔を出す。
「十四松、ピンポン押しすぎだからね! マンションに住んでる人達がビックリしちゃうよ~」
「あははぁ、めんごめんごー!」
部屋の中に十四松を通し、テーブルに向き合う二人。
十四松は少し緊張しているのか肩がグっと上がっている。
「今日はいつもの十四松だね?」
「うん! でもボクはボクで、昨日のボクもボクだよ!!」
「んー、確かに。言われてみると十四松はいつでも十四松だもんね!」
クローゼットの中、どんな会話だよと突っ込みを入れたくなる一松だがここは我慢だ。
「あの、ね! 姉さん!! ボク、我慢しようとしてたんだ」
「うん」
一松の口から聞いているそれはもう既に理解しており、十四松のいう事も理解出来たナス子はコクリと頷く。
「でも、ダメだったみたい。姉さんに触れないのすっごく苦しいし、もっと姉さんが欲しいってなっちゃう……みたい、で。ダメダメですなぁ」
人の口から聞いた言葉でも、その発言は本人から聞くのではまた刺激が違う。
そう彼の口から聞くとみるみると顔が熱く火照るのを感じてしまうナス子。
「が、我慢なんて……しなくっていいのに」
「姉さん、ボクがする事で疲れてなぁい? 最近姉さんが疲れてるんじゃないかって一松兄さんとトド松が気づいてたんだけど、ボク全然わからなくて……いっぱい考えたんだけど、これは姉さんに聞かないとわからないんじゃないかって思って確かめに来たよ!」
真剣な顔をした十四松は真面目な瞳、真面目な顔で彼女の顔を覗き込む。普段のニコニコしている十四松とは全く違う。