第81章 【十四松ルート】ステイ
「んとねー、少し我慢しようと思って!! ボク、我慢出来ないから、姉さんを困らせてるんじゃないかなって思ったんだよねぇ」
やべぇ、めっちゃ気にしてるじゃん!
と、四男、末弟は思ったのだが、フォローを入れようとすると口の煩い二人が割り込んで来る。
「我慢~? お前ら好き同士で付き合ってんだろ? お兄ちゃんはまだ納得はしてないけどね!! でも好きなヤツ相手に我慢なんて出来なくねぇ?」
「いや、でも好きだからこそ我慢するって言うのもあるんじゃないの? ねぇ、十四松」
「うーん、そうだね。えっと、ごちそうさまでした!!」
カチャンと言う音を立て、食事を先に済ませた十四松は珍しく自分のお皿を片付けに席を立つ。
やがて二階に行くと思っていた十四松はカラカラと音を立てて玄関から出て行ってしまうと、残された五人は顔を合わせたが、十四松のおかしな挙動の原因かもしれない事については、一松とトド松から兄三人に告げられるのだった。
「なるほどねぇ、まさか十四松がそんな事で悩むとは思わなかったなぁ~、だって十四松だよ? 本能のままに生きてるアイツがナス子の為にそこまでするかぁ?」
「おそ松兄さんホントにナス子の事好きなの? わかってないよねぇ。好きな相手だから嫌われたり拒絶されたりするのが怖いんでしょ」
「しかし、ナス子は十四松の事を拒絶などするようなレディじゃないだろう。見ているだけで殺したくなる程に毎度毎度オレ達の前でも散々イチャついているじゃないか」
「いやぁ、最近ナス子姉が少し元気なかったから、なんとな~く茶化しも込めて言っただけだったんだけどねぇ」
「ま、まさかアイツがそんな悩むとは思わないじゃん……? 十四松だし」
食事が終わり、二階で十四松会議が行われ始めた。
「でも、さぁ! これってチャンスじゃね?! 今十四松がナス子に手を出さないなら俺らもワンチャンあるんじゃ……」
「おい、そこのゲス長男! 仮にも弟の恋人なんだからそこは心配してやれよ、ったく長男の癖に、一番ダメダメだな!!」