第81章 【十四松ルート】ステイ
しかし、他のメンバーに比べると与えられる制裁も少なくすぐに許してもらえるし、付き合う前からスキンシップをしようとも特に怒られたりする事は少なかった。
逆に同じくスキンシップの多い長男は毎度怒られ殴られと制裁を浴びせられ続ける事に、少しだけ優越感を抱かなかった訳でもない。
「で、どうなの十四松兄さん……あっちの方は毎回会う度、とかじゃない、よね?」
「ど、どんなプレイしてるかも詳しく……」
叱りに来ていたハズの二人がまるで新しいAVモノの話題でも出すかのように頬が染まりゴクリと唾を飲み込むと、一人バランスボールに乗っかって遊んでいた十四松に詰め寄る。
「あっち? 姉さんに会う時はいっぱいシてるよ! ん~とね、プレイは……内緒~、あはははぁ」
あまり触れられたくはない話題ではあるが、この二人もまたライバル、ナス子の事を諦めていないのは六つ子たる由縁なのかなんとなく感じ取れるからこそ、その牽制も込めて愛を確かめ合う行為は行っていると告げておくも、さすがのさすがにどんな事までしてるかは言いたくはない。
「ちぇ、やっぱり毎回ヤってるんじゃん。そうだよね、毎回タッティタッティ言ってる十四松兄さんが我慢できる訳ないかぁ」
「はぁ、ヤダヤダ。これだから童貞捨てた男ってのは面倒臭い……」
結局聞きたい詳しい内情までは聞けなかったが逆に皮肉を込めて一松が言ってやると、十四松はその言葉に少しピクリと反応する。
「ど、童貞捨てた男って面倒臭いの?! ボク姉さんに面倒って思われてる?!」
「…………あ、いや、別に、そこまで……じゃないと思う、けど」
「いや、でも会う度って言うのはさすがにシンドくな~い? ぼくらは女じゃないからわからないけどさぁ、ナス子姉は体力仕事もしてる訳だし、ナス子姉が休みの日って毎回十四松兄さん早起きして遊びに行ってるでしょ?」
「あぁ……」
空気の漏れたような声を出し、そういえばもうそれがお決まりのパターンようになっていたが、ナス子の公休日は沢山ナス子と遊べる事を楽しみに、いつも朝早く目が覚めてしまい嬉々としてマンションに走って行っていたなと十四松は思う。