第80章 【微エロ】【一松ルート】日向からの目線
でも、気持ちはわかるよ。
だって、私だってイチマツのこと大好きだから。
大好きで、特別なヒト。私のオンジン。
ナス子だって特別だけど、特別が二つあったっていいでしょ?
「はっ……はぁっ……ナス子……っ」
「あっ、ああっ……一松……っあああっ」
……んもー、でも、やっぱりうるさいものはうるさい。
せっかく今日は日向ぼっこ日和なのに。
耳をぴったりと閉じても、聞こえてきちゃう。
いつもは二人が静かになるまでぐっと我慢してあげてる良いコな私だけど、今日はなんだか邪魔したい気分。
ぐっと伸びをして、私は二人がいる部屋へと入っていく。
ナス子は、ここの襖は絶対にピッタリと閉めない。
いつでも私が入れて、出て行けるように、私が通れるだけの隙間はいつも必ず開けてくれてるの。
静かに部屋に入ると、二人は薄暗い部屋の中、布団の上でいつもみたいに重なってる。
ンニャ~オ
私が一つ鳴き声を上げると、顔をくっつけていたナス子とイチマツが同時にこっちを向いて、ちょっと驚いた顔をする。
二人はまだ裸で重なったままだったけど、そんなの私には関係ないから、静かに、優雅に歩を進めて、ナス子の顔に身体を押し付けるようにして座って、目の前の一松の目を見つめる。
「み、ミケ子……あの、どうしてそんなに身体を私の顔に押し付けっ……」
「……ふっ……ふふ、ゴメン……ミケ子……最近、俺がナス子を取っちゃってるから、怒ってるんだね」
うーん、半分正解で、半分ハズレ。
「えっ、そ、そうなのミケ子っ……」
声だけで、ナス子がとっても嬉しそうな顔をしているのがわかる。
だから、半分正解で、半分ハズレなんだってば。