第80章 【微エロ】【一松ルート】日向からの目線
「いっ、一松っ……! ま、まだお昼まわったばっかりだからっ」
「だから、なに? 夜じゃなきゃしちゃダメって法律でもあんの?」
「そ、そうじゃない、けどっ……」
「明るいと恥ずかしいんだろ? なぁ……ただそれだけの理由だよね」
「うっ……そ、それだけじゃっ……………それだけデス」
あっ、私が窓際で毛繕いをしてる間に、またあの二人くっついてる。
最近、なんだか二人がくっついているのが多い。
ズルイよっ、私だってくっつきたいのに。
ナス子のことはもちろん大好き。
でも、イチマツのことだって大好き。
私は、小さい頃のことあんまり覚えてないけど、イチマツが私をここに連れて来てくれたのはなんとなく覚えてる。
イチマツがいなかったら、私とナス子は出会えなかったんだよって、ナス子にもいつも言われる。
だから、イチマツは私のオンジンってやつなんだって。
本当はイチマツが私を飼いたかったんだって。
でも、ナス子に飼われてる今も、私はそれなりに幸せだよ?
しっぽをゆらゆらと振り、二人をじっと見つめていると、私の視線に気付いたナス子が、乗りかかってる一松を制止して私を指差す。
「ほ、ほらっ、ミケ子が見てる……っそれに、鰹節! せ、せっかく持って来てくれたのに……ミケ子まだ食べたいんじゃないっ?」
いいえ、別に?
もう食べたし。
美味しかったけど、今はもういいって感じ。
そうじゃなくて、また二人でおやすみする部屋に行くつもりね?
ナス子は太陽が出ている時は寝ていることが多いけど、一松が来た時に二人で寝る部屋に入ると、なんだかうるさい。
いつもは静かに私と寝るのに、一松と一緒だとうるさいの。
最初は、一松がナス子をいじめてるって思って、ちょっと慌てたりもしたんだけど、一松がいじめてるわけじゃないよって言うし、ナス子もいじめられてるんじゃないよって言うから、そうなんだって思った。
遊んでるのかな?
わかんないけど、どうせ寝るなら私は静かに寝たいから、一松とあっちに行くなら、私はココでいい。