第79章 【R18】【逆ハー卒業ルート】溺れているのか、逆なのか
「おい、なんなんだよこれ! 出せよチョロ松!!」
「そうだよ、何でこんな事すんのチョロ松兄さんっ」
「どぅおーりゃっせーいっ!! んあ~っダメだぁ、壊れなーい!」
「せめてミケ子と一緒に閉じ込められたかった……」
なんとも騒がしい動物園、ここは松動物園だなと思いながら暴れる4人をポカンとしてまだ見ていると、チョロ松はその檻の中にいる兄弟達を睨む。
「先に抜け駆けしたのはそっちだろ? まだ最後まで致してないにしてもさ、もう十分堪能はしてるみたいだし、お前らはせいぜい指でも咥えてそこで見てればいいよ」
「フフーン、ナイスアイデアだなチョロまぁつ! まだ何も出来ていない俺達が今度は可愛いマイハニーを可愛がってやろうじゃないか」
「ホントはお前もあの檻に入れる予定だったんだけどね」
「え」
「まぁでもカラ松も僕と同じ、抜け駆けされた側だから、温情を与えてやろうと思って。ありがたく思ってね?」
「え、あ……ああ、うん……?」
何故上から目線で、しかも自分がありがたがる方になっているのか理解は出来なかったが、ここで反論しても色々面倒なことになるだけだと思ったのでなんとなく頷いておく。
窮屈そうな檻の中、すでに脱出を諦めた三人と、格子に噛み付いている十四松。
本当に動物園のヒト科ヒト目とか書かれてでもいそうだなとナス子がそんなことを思いスンとしていると、四人を背にしたチョロ松に大きく足を開かれる。
「えっ、あっ! チョ、チョロ松っ……ああっ!」
止まっていたナス子の嬌声がまた上がると、檻の中にいる四人の視線が一斉にそちらに注がれる。
「おいシコ松……っその角度じゃ俺達からナス子が何にも見えねぇだろうがっ、バカなのかお前は……!」
「イーコト言った! いちまっちゃん! そうだそうだ! 角度変えろよチョロシコスキー!」
檻の中から格子に手を掛け、ガタガタと音をたてながら異議を唱える長男と四男に、チョロ松は額に血管を浮き上がらせる。
「チョロシコスキーって誰だ……! ガタガタうるっせーな! 黙って見てろよクソ長男、闇松!!」
「見たいっ! 見たいよーっ! でも見えナッスィんっ!!」
「そうだよチョロ松兄さぁん! こっちからチョロ松兄さんの背中しか見えないんだけどぉ!」