第12章 愛の鞭 カラ松side
みゃぁ~
「ふわぁー、ミケ子~お母さんちょっと疲れちゃったよ~一緒にお昼寝しよ~」
寝室の襖が閉まっていたのでまさかと思い開けるとそのまさか。
布団に寝ころんでいる。
「何をしてるんだシスター!!!」
今日二回目だぞこのセリフ。
「ちょっと疲れちゃったから少しだけ休憩をー・・・」
「脱おそ松は諦めたのか?」
「うぐっ」
「このままではずっとお前はあのクソ長男と変わらない人間になってしまうんだぞ?それでも構わないのか?!」
「だって早起きしたから眠気が・・・」
「今日もこの後は仕事なのか?」
「んー、休みだけどぉ?だから洗濯に行ったんだよー」
「そうか、ならば続けようか。ほら起きろナス子」
オレは心を鬼にしてナス子の足首を掴みリビングに引きずって行く。
本当はオレもこんな事したくないんだ・・・
だがわかってくれ、オレの愛!
「イーヤーーーー」
少し太めと言えど男の俺の力には適うはずもなく無情にオレに引きずられる。
仕事始めてから更にズボラになったよな、ナス子は。
「うぅ、鬼ぃー人格者ー・・・人でなしー」
「口より手を動かせ、それにオレはシスターの事を思ってだなぁ」
「それはわかってるけどぉ~~~」
一応俺の愛は伝わっていたようだ。
文句を言いつつ洗濯を一枚一枚カゴから出し再び畳み始める。
俺は胡坐をかき、ミケ子を足に乗せながら腕組みをした姿勢でナス子を見ている。
やっとまた作業にとりかかる事を決めたようだが・・・
だがしかし・・・これは・・・
おそらくナス子はちゃんと畳んでいるつもりなのだろうが・・・
めちゃくちゃ汚い。
そして何故洗い物を全部一緒にしてしまったんだナス子姉。
あの服とその服は別に洗うか、ネットに入れて洗わないと傷んでしまうヤツだ。
あと、あっちの服は色落ちして他の服に色がうつるタイプのやつじゃないのか?
「・・・・・・・・・・・・・・・」
オレは思った以上の難題に眉をしかめた。
一人暮らしを始めてそれなりに月日が経っているというのに、洗濯物もまともに畳めないレディがいるとは・・・。
やれやれ、先が思いやられるな。