第79章 【R18】【逆ハー卒業ルート】溺れているのか、逆なのか
「おそ松兄さん、早く買ってきたヤツ姉さんに見せてあげようよ!」
「どんな形状か俺まだ見てなかったんだよね、早く見せてよ……」
「まぁ、待てって! お前ら」
「じゃあ、ナス子姉に開けてもらおうよ。ぼくらからのプレゼントなんだしさっ!」
箱を二つ渡され、リボンまで施されている横長の細い物体を見る。
この箱を開けてはいけないと脳の危険信号が煩く鳴り響く。
前に六つ子からオレンジ色のパーカーを貰って、あまりの嬉しさからそれをよく愛用しているナス子だが、今日もそれを着てきていた。
プレゼントされた物を着ながら、またプレゼントを受け取る。
いやぁ、愛されてますなぁ。
と、こんな状況でなければそう思って顔が綻ぶ所だろう。
だが今は違う、この状況、彼らの表情は完全にギラつき飢えに飢えた、まるで動物のようなモノに変化し欲情し始めているように感じた。
こいつらの金の出どころはどこからくるものなのかとも思うのだが、今は何も考えないでおこうと思い、ずっと感じている嫌な予感を抱え込んだままの状態で、もしかしたらもっと違う、喜ばしいものかもしれない!と言う淡く儚い期待も抱き箱の紐を解いていった。
「………なに、これ?」
「え~見てわかんない?」
「そりゃそうでしょ、AVなんて普段見ないナス子がこんなの見てわかる訳ないよね」
「姉さんこれなんだと思う?」
「わからなかったら教えてあげるから聞いてねっ、ぼくらも使うのは初めてだけどさ、きっと気持ちいいよ?」
実物は初めて見た。
しかしコレの存在は知っている、だって同人誌とかでよく使われたりするやつだし。
まだ一つ目の箱しか空けてはいないのに手がブルブルと震えてしまうのがわかる。
中々に太い……バイブだった。
ピンク色の形状にボタンがいくつかついている。
ご丁寧な事にリモコン付きときたもんだ。
あまりマジマジと見たくはないのだが、乾いた笑いが漏れてしまうのがわかる。