第12章 愛の鞭 カラ松side
「グスッ・・・・カラ松ぅ・・・・」
ああ・・・いい歳をしたレディが鼻水を垂らして・・・
女性に泣きながら見上げられるというのはある種男の夢とも言うべき事態だが、相手はシスターだ。ざぁんねん。
俺の心はまったくと言っていいほどトキメかないぜぇ・・・
あぁ!オレのズボンに鼻水ついてる!
「私・・・私、変わりたい!二度とあんなカリスマレジェンド級クソバカ童貞ニート野郎と一緒だ、なんて・・・二度と・・・っ二度と言われたくない・・・!!」
「よく言ったシスター・・・! このカラ松が手助けしてやろう・・・! 手始めに、洗濯物の畳み方からだ!」
「はい!!! 私、頑張ります!!!」
日頃ブラザー達にあれやこれやと頼み事をされる・・・オレ。
自慢だが他のブラザー達より家事には少し心得がある。
それが役に立つ日がこようとは・・・
フッ、人生とは何があるかわからない、わからないから人生は楽しい。
それがビューティフルライフというもの・・・
何を言っているのかわからない?
フッ・・・オレもさ・・・。
* * *
「よし、じゃあこれから洗濯物の畳み方を教えよう」
「ハイ!! よろしくお願いします! カラ松先生!!」
ナス子の家に一緒に戻り、大量の洗濯物が入った二つのカゴを目の前に置く。
さっそく始めようと思ったところに、部屋の奥から小さな鳴き声が聞こえそれと同時に子猫がオレたちの元へやってくる。
「おお、リトルキャットじゃないか! 元気だったか?」
みゃ~
子猫は挨拶をするようにオレの足元に体を擦りつけた。
一松があれからずっとナス子の家のスペアキーを渡してくれず、ここに来られなかったので、少しだけ子猫も成長している気がする。
子供の成長というのは早いものだ・・・
しかしこの可愛さ・・・ナス子と一松が可愛がるのも納得だ。
「ミケ子ただいま! ミケ子は本当に人見知りしないなぁ。カラ松の事も好きなんだねー」
「おお、そうか!! オレが好きか!」
好きという言葉を聞いてオレは上機嫌でミケ子を抱く。
顔に頬を擦りつけスリスリしてみたが全く嫌がらない。
喉がゴロゴロ言っている。
動物に愛情表現されるのもいいものだな・・・。