第77章 【逆ハー卒業ルート】焼肉パーティ
チョロ松の突っ込みが追い付かずまた同じ事件が繰り広げられて、少し疲れてしまう。
しかも今回は皆で分け与える事の出来ない一つのモノを争っているのだから仕方ない。
「もう、誰かなんとかしてぇえええええぇ!!!」
そのチョロ松の叫びと共に、玄関の扉が開く音がすると、長年聞きなれた声が玄関から聞こえてきて、全員がその動きを止めた。
「「ただいまー」」
どうやら今度は二人でインドにでも行っていたようで上機嫌に象の神様の置物を手に持つ松代の姿と父親が顔をだす。
「あら、ニート達、なにしてるの? ああ、いいわ答えなくて、いつも通りダラダラしてるだけだろうし」
「ちょっと母さん! 帰って来て早速その言い草?!」
「だってそうでしょ? 悪気はないわよぉ別に」
荷物を置き、床に座る松造と松代。
一息入れる間もなく六つ子に向き合うと、何やら企んだような目で見られ、思わず兄弟は顔を見合わせる。
「で、どうだったお前たち。父さんと母さんのプレゼントは喜んでくれたか?」
「で、って……え、プレゼント? なんの事?」
チョロ松がそのプレゼントの意味がわからないと首を傾げて両親に聞き直る。
「最近貴方たちがナス子ちゃんを意識してるのはバレバレだったからぁ、何だか見ててジレったくなっちゃって……。ちょっとだけ協力してあげたつもりなんだけど」
「「「「「「!?」」」」」」
さすがは松野家を支える一人とでも言うのだろうか。
母は強し、とはよく言ったものだ。
「父さんも母さんから聞いてビックリしたが、ナス子ちゃんなら娘として迎えるのは大賛成だ。昔から知っている仲でもあるしな」
その二人の会話から何かを悟ってしまったニートな六つ子達。
そう言えば何か手紙も一緒に残されていたなと考えると、最早プレゼントはあれの事かと思考が過る。
「ふふっ、ビックリした? 父さんと話し合って決めたのよ? アレが一番喜ぶんじゃないかって思って、後押ししたのもあるんだけど~」
「孫の顔を早く見たいのも本当だが、避妊も大事だしなぁ。 使わなくても使っても構わなかったがナス子ちゃんにも都合があるだろうし一応……なぁ? 母さん」