第77章 【逆ハー卒業ルート】焼肉パーティ
「愛する愛するナス子の為に毎日通ってやらなくっちゃぁな~、へへへ~っ」
今度はおそ松が取り出した鍵を見て目を見開く三男、五男、六男。
その鍵が何を意味するかすぐに悟った。
「お前……それっ」
「ん? ナス子の家のスペアキーだけど? 知らなかったっけ??」
既に他の弟達も知っていると思っていたおそ松は、キョトンとして周りを見る。
「はぁ?! なにそれっ、聞いてない! なんでおそ松兄さんがナス子姉の家の鍵持ってるわけ?!」
トド松が少し不機嫌な顔になり、今度は長男を睨む。
恋人の家の鍵なのだから当たり前だろう。
「なんでって……拾った?」
「そんなん落ちてる訳ないでしょ! どうせ盗んだんでしょ、おそ松兄さんの事だしっ」
「いやいやいや、最初はこれ一松が持ってたし」
「お、俺?! ……お、俺はミケ子の面倒を見る約束で預かってたって言うか……」
「いーじゃん! これからは俺ら六人で共有して使えばさぁ~っ」
あっけらかんとしたおそ松は独占欲もあるが、バレてしまったものは仕方ない。
だがナス子は今は六人の恋人。
自分だけが独占したいがそういう訳にもいかない。
「共有って言われても……それ巡って戦争が起きる気しかしないんだけど……」
「じゃあ、順番にする? 貸しておそ松兄さん」
困り顔のチョロ松がおそ松の持つ鍵に目を向けて口を閉じる。
これは……今川焼事件の時と同じ事が起きると全員思うと、立ち上がり戦闘姿勢へと変化した。
「………ふっ、どうやら実力行使しかないようだなぁ!」
結局の所、あんな事を考えていても譲る気はなかったおそ松がヌンチャクを構え立ち上がる。
「へへっ、しょうがないね!」
トド松までもスタバァの恰好をしてメニュー表を構え、臨戦態勢だ。
「ふ……残念だ」
どこのゴ〇ゴだ、カラ松はグラサンにスーツ、銃を構えだした。
「来いこのヤロー!!」
十四松までもプロレスのレスラーに変身し、その鍵を勝ち取ろうとしている。
「終わらせる━━━……」
「だからお前ら誰だよ!!」