第12章 愛の鞭 カラ松side
わかっていたさ・・・
だって稼動しているのはその洗濯機一台だけだからな・・・
「わかってるんだよー? いつもちゃんと洗濯しなきゃな~片付けしなきゃな~とは思ってるんだけどね?ついついゲームやったり漫画読んだりして、気が付くとあっという間に時間が経っちゃってるんだよねぇ」
「いやだから・・・」
「わかってるってぇー! ちゃんとしようと思ってるんだよ?ホントだよ?でもさぁ、生まれ持った性格とか培ってきた習慣っていうのは簡単に変えられないっていうかさ・・・」
「・・・・・・・・・」
まったく悪びれる様子もなく、そしてそれを隠す様子もなくつらつらと言い訳を並べ立てるナス子を、目を細め改めてじっと見つめるオレ。
「だって私ナス子だよぉ?ナス子ってそういうんじゃないでしょ。そうなったらもう私じゃないって気がするんだよねぇ」
「・・・・・・・・━━━━━━━━━━おそ松・・・」
「え?」
オレがポツリとおそ松の名前を漏らすと、突然出てきた関係のない単語に、ナス子がオレを見て言葉を止める。
「おそ松だ」
「え?おそ松?どこ?外歩いてた?」
窓の外をキョロキョロと見るナス子。
その肩を後ろからポンと叩き、こちらを向いて首を傾げるナス子に向かって、俺はビシリと指をさす。
「お前は・・・・・・・・・・・・おそ松だ!!」
「は?」
ポカンと口を開け、二の句が継げないでいるナス子。
「ギャンブルはしないが、金遣いが荒い・・・おそ松ポイントワン」
「・・・!」
「面倒な事は極力したくない・・・おそ松ポイントツー」
「・・・!!」
「休みの日は家でずっとゴロゴロしていたい・・・好きなことを好きなだけやって遊んでいたい・・・おそ松ポイントスリー、フォー」
「・・・!!!!」
「言い訳が多くて基本的には自分がこうと決めたら絶対にそうしたい、常識という言葉に囚われず自由気ままに楽しく一生を過ごしたい・・・おそ松ポイント・・・・・ワン、ハンドレッツ・・・!!」
「・・・!×100」
「もう一度言おうシスター、ああ・・・言うともさ・・・オレは心を鬼にしよう・・・お前は・・・・・・・・女版おそ松だ!!!」