第12章 愛の鞭 カラ松side
「ところでナス子姉、さっきも聞いたが、コインランドリーで何をしているんだ?」
「コインランドリーですることって言ったら一つしかないと思うんだけどね。洗濯に決まってるでしょうよ」
「それはわかっている。そうではなく、何故家に洗濯機があって、今日はこんなに良い天気なのに、わざわざコインランドリーに来て洗濯をしているのかと聞いているんだ」
しかも相手は超がつく面倒臭がりのナス子だ。
普段寝ている時間を当ててまで、ここに来なければいけない理由が何かあるのだろうというのは、容易に予想がつく。
「ん、ん~~~それがねぇ・・・」
何か言いにくい訳でもあるのか、口篭るナス子の横をふと見ると、そこには大きな空の洗濯カゴが2つ。
「・・・ははぁ~ん? なるほどな、理解した。また洗濯物を溜めに溜め、自宅の洗濯機では何度回しても埒が明かず、まとめてコインランドリーに持って来たと・・・ビンゴォ~?」
「ビンゴー!」
俺のドヤ顔に負けないくらいのドヤ顔で、親指をグっと立てるナス子。
・・・フッ・・・
「お前オレがこの前言ったことをちゃんと聞いていなかったのか?!」
「いやいやちゃんと聞いてたよ!?でもさでもさ?明日やろう明日やろう~って思ってたら、いつの間にかこんなに溜まっちゃってたんだよねぇ~不思議だよねぇ~、同じくらいお金も溜まればいいのになぁ~って思うんだけどねぇ~」
「それが駄目だと言っているんだシスタァー!!」
「テヘ!」
ん~ナンセンス!!テヘじゃないだろうテヘじゃ!
わざとらしく舌を出し、コツリと拳をデコに当てるナス子。
言っておくが全然キュートじゃないぞ。むしろ残念だ。
「ナス子姉には学習能力というものがないのか? このままでは一生変われないぞ」
「ニートの君たちには言われなくないなぁ~」
くっ・・・!そう突っ込まれると痛いところだが、そんなことは言われ慣れているオレたち六つ子。
華麗にスルーを決め込むぜぇ~?
「一体何キロの洗濯物を運んできたんだ。今回っている洗濯機・・・25kgって書いてあるが、まさかアレじゃないよな」
「アレです」